普段キャンプに参加する側のルーニーがコーチとして参加「とても面白かった」
8月14日から17日にかけて都内某所で行われた「第11回バスケットボール・ウィズアウト・ボーダーズ・キャンプ・アジア2019」(以降BWBアジア)に、ケボン・ルーニー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)がコーチとして参加した。
4日間のBWBアジアキャンプを終えたルーニーは、「非常にいい経験になりました。(参加した選手たちの)タレントレベルの高さにびっくりしましたし、自分も(他チームの)コーチと出会うことができました」と感想を口にした。
ルーニーは2015年のドラフト1巡目30位でウォリアーズに指名されたビッグマン。206センチ99キロのサイズを誇り、キャリアを積むことで出場試合数も増加。ルーキーシーズンはわずか5試合(平均4.2分1.8得点2.0リバウンド)だったものの、昨季は80試合(うち先発は24試合)に出場。平均18.5分6.3得点5.2リバウンド1.5アシストと、主要成績は右肩上がりで上昇を続けている。
とはいえ、23歳のルーニーにとって今回のBWBアジアキャンプは「普段なら自分がキャンプに参加して経験を得る側なんです。でも今回は逆に、コーチ側という立場でできたことがとても面白かったです」と、新鮮な体験だったようだ。
複数の選手が新加入し、役割増加が期待されるルーニー「すごく楽しみ」
ルーニーが所属するウォリアーズは、昨季5年連続のNBAファイナルへと勝ち進み、トロント・ラプターズとの頂上決戦に挑んだ。ルーニーはシリーズ第2戦で右側の肋軟骨を骨折してしまい、第3戦を欠場したものの、第4戦から戦列復帰し、第6戦まで戦い抜いた。
昨季のファイナルを2勝4敗で終え、3連覇を逃したウォリアーズは、今夏ロースターが大幅に入れ替わった。その中で、ステフィン・カリー、クレイ・トンプソン(再契約)、ドレイモンド・グリーン(契約延長)と共にルーニーも再契約を締結。
ディアンジェロ・ラッセルやウィリー・コーリー・スタイン、アレック・バークス、グレン・ロビンソン3世といった選手が新加入したのだが、ウォリアーズはロースターの半数以上をキャリア4年以下の選手が占めることに。
スティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)の下、これまで4シーズンをプレーしてきたルーニーは、23歳ながら今季ウォリアーズで大きな役割を担うことになりそうだ。ルーニーは言う。
「自分の役割は増えるんじゃないかなと思っています。オフェンス面ではコーチから『積極的に行け』、ディフェンス面では『しっかりリーダーシップを取ってやるように』と伝えられています。今シーズンはロースターが若くなるので、今までとは違うチームになります。ラッセルやコーリー・スタインが入ったのですごく楽しみにしています」。
万能戦士グリーンから吸収し続ける23歳のビッグマンが今季掲げる目標とは?
そんなルーニーにとって、同じポジションにリーグ有数の万能戦士グリーンという選手がいることは大きいはず。これまでルーニーはグリーンから「コート上でどう動けばいいのかをよく教わっています。ピック&ロール時のスイッチなど、しっかりとしたポジショニングをかなり吸収しています。あとはヴォーカルリーダーであることなども教わっています。グリーンは何でもできる選手ですので、一緒にやっていて毎日なにかしらあるので非常に楽しいです」と語っており、数多くのことを学んでいるようだ。
今季のフロントラインにおける予想スターターはグリーンとコーリー・スタインなのだが、ルーニーは「今シーズン、グリーンと一緒にコートに出ることができれば、もっと彼から吸収できると思うので、それを楽しみにしています」と意気込んでいる。
では、キャリア5シーズン目となる今季、ルーニーが掲げる目標とはいったいどんなことなのだろうか。BWBアジア終了後、最後の質問でルーニーは具体的に語ってくれた。
「個人的にはオールディフェンシブチームに入ること。あとはMIP(最優秀躍進選手賞)の候補として、得票されたいと思っています。『今シーズンに成長した』と評される選手になりたいです。チームとしては当然、毎年優勝を狙っています」。
コーチ陣がルーニーへ伝えたように、オフェンス面で積極性を増し、ディフェンス面でも存在感を発揮することができれば、来年の春頃にはこの発言が現実のものとなっている可能性はあるはずだ。
今季はウォリアーズの主軸へと成長していくルーニーの姿を見ることができるかもしれない。
取材・文=秋山裕之