自己最長の出場時間で15得点6リバウンド4アシストを記録もチームは敗戦
12月4日(現地時間3日)。ウェスタン・カンファレンスのアウェー4連戦(1勝3敗)を終えたワシントン・ウィザーズが、ホームのキャピタル・ワン・アリーナでオーランド・マジック戦に臨み、120-127で敗れた。
試合前、控えセンターのモリッツ・ヴァグナー(左足首負傷)に加えて、先発センターのトーマス・ブライアント(右足甲のストレス反応)も欠場が発表され、八村塁は先発センターとしてプレーすることになった。
「高校以来なので楽しみな一戦になるんじゃないかなと思います。(プレータイムは)コーチ次第なので、僕はできる限りのことを一生懸命やって、チームに貢献したいと思います」
マジック戦を前に、明成高校(宮城県)在学時以来のセンター起用についてポジティブに捉えていた八村は、ロサンゼルス・クリッパーズ戦(38分27秒)をわずかに上回る、自己最長となる38分30秒コートに立った。
👀 IT fakes and finds Rui underneath for the flush! #RepTheDistrict
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— NBA (@NBA) December 4, 2019
高さと長さを兼備するマジックのフロントコート陣を相手に、15得点6リバウンド4アシストをマークした八村は、フィールドゴール12投中6本成功、フリースローを3本全て決め切り、出場時間帯における得失点差で+6を記録した。
試合を終えて、「ケガ人が5人くらい出てしまって、センターもいない状態で試合をやって、僕らとしては勝つ気で行きましたし、最初からアグレッシブにやったんですけど、惜しい試合になってしまったと思います」と振り返った八村。
14点ビハインドで迎えた第3クォーター。ウィザーズはアイザイア・トーマスのショットを皮切りに、八村のレイアップ、ダービス・ベルターンスの3連続3ポイントと自慢のオフェンスが爆発。ブラッドリー・ビールの3ポイントとトーマスのショットも決まり、残り8分14秒で75-74と逆転に成功。
だがこの直後にマジックはアーロン・ゴードン、エバン・フォーニエの3ポイントで応戦。ウィザーズが何とか食らい付くも、テレンス・ロスの3ポイントプレー、ジョナサン・アイザックの長距離砲で突き放し、流れを一気に引き寄せた。
「インパクトを与えられる選手になりたい」八村、次戦の相手は難敵エンビード
センターとして出場した八村は、ケム・バーチやアイザック、ゴードン、モー・バンバといったビッグマンと対峙。スイッチではフォーニエやマーケル・フルツ、DJ・オーガスティンといったバックコート陣ともマッチアップし、失点を許す場面もあった。
「僕のプレースタイルとしてはどこでもできるスタイルなので、今日こういうポジションでやるということで、僕も勉強になりました。チームとしても今の状況が続く可能性もありますので、今日の試合のダメなところをすぐフィルムとかで見て、修正することができたらいいなと思います」とコメント。
センター陣が不在で、ビッグマンは八村とベルターンスのみという苦しい状況の中、八村は自己最長のプレータイムを記録したことはチームにとっても朗報だろう。
第4クォーターで4ファウルになってしまったものの、これまでの試合であれば、それよりも早く4ファウルを喫してファウルトラブルに陥っていたとしてもおかしくはない展開だった。その中で、ポンプフェイクに引っかかってしまう場面もあったが、なんとか相手選手と接触しないようにしたことで、ウィザーズのビッグマン不在という最悪の状況を回避した点は称賛に値する。
この日の得失点差(+6)について聞かれた八村は「チームにインパクトを与えられる選手になりたいので、そういうところも重視していますし、得点だけじゃなくて、チームの勝ち負けに関わる頑張りができたらいいなと思います」と口にした。
ブライアントは今後3週間近く戦線離脱する見込みのため、6日(同5日)のフィラデルフィア・セブンティシクサーズ戦も苦しい戦いは続く。
ヴァグナーが戦列復帰できたとしても、シクサーズが誇るリーグ屈指のフロントコート陣(ジョエル・エンビード、アル・ホーフォード、トバイアス・ハリス)に208センチの超大型ポイントガード(ベン・シモンズ)を相手にするのは大きなチャレンジと言っていい。
特に攻防兼備のオールスターセンター、エンビード(213センチ113キロ)とのマッチアップはファウルトラブルになることを覚悟しなければならない。
それでも、八村は「大きい選手と戦うということで、負けないでしっかりやりたいなと思います」と、時折白い歯を見せながら話しており、リーグ屈指の実力者とのマッチアップを楽しみにしている印象を与えた。
ウィザーズはケガ人続出による戦力ダウンが否めないものの、エースのビールやスコアラーのトーマス、そしてポジティブかつ冷静な21歳のルーキーを軸に、なんとか3連敗から抜け出したい。