「あなたが残してくれたレガシー(遺産)を受け継いでいくことを約束する」
1月26日(現地時間25日、日付は以下同)。レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)はフィラデルフィア・セブンティシクサーズ戦の第3クォーター中盤に左サイドから持ち前のパワフルなドライブでリング下へと持ち込んでレイアップを決めた。
これにより、通算得点でコービー・ブライアント(元レイカーズ)の記録を上回り、NBA歴代3位に浮上。レブロンは「どんな話題であれ、コービー・ブライアントと一緒に入ることは本当にうれしい。彼は史上最高のバスケットボール選手の1人であり、レイカーズ史上最高の選手の1人でもあるからね」と試合後に語っていたのだが、一夜明けてコービーが他界するという信じられない事態に直面。
レイカーズはチームジェット機でフィラデルフィアからロサンゼルスへ戻る途中に、コービーが逝去したことを知らされたのである。
ロサンゼルスに到着後、レブロンが涙を流していたのは言うまでもない。27日にレブロンがコービーに対して言葉を発することはなかったが、翌28日に自身のインスタグラムで苦しい胸の内を明かした。
「まだ心の整理はできてない。でも前に進まなきゃいけない。今こうして座って、なにか投稿しようとしているけど、あなたのこと、ジジ(次女ジアナの愛称)のことを思うと涙が出てしまうんだ。日曜の朝、フィリーからLAに戻る前にあなたの声を聞いたばかりだったのに。俺たちにとって、あの会話が最後になるなんて、信じられない。俺は今、胸が張り裂けるような思いで悲しみに打ちひしがれている」。
そしてレブロンは、兄と慕うコービーへ、今後に向けた想いをこう綴っている。
「俺の心はヴァネッサ(コービーの妻)とあなたの子どもたちと共にある。あなたが残してくれたレガシー(遺産)を受け継いでいくことを約束する。あなたは俺たちにとって非常に大きな存在で、特に“レイカーネイション”は、俺たちの心の中にあるんだ。だから自分にはそれを背負っていく責任がある。どうか天国から見守ってほしい。そして俺に力を与えてほしい。俺たちはいつも一緒だ。まだまだ伝えたいことはあるけど、今の俺にはこれ以上言うことはできないよ。まだ乗り越えることができていないんだ。兄弟よ、また会う日まで」
28日、NBAは29日に予定されていたレイカーズ対ロサンゼルス・クリッパーズによる試合の延期(試合日は近日発表予定)を発表。レイカーズとクリッパーズの選手たちを筆頭に、全てのNBA選手たちへ、コービーを失ってしまったことを乗り越えてほしいと言うことはできても、簡単にできることではない。
それでも、1日のうちの数時間、いや数分でも、切り替えることから始めてほしい。