カーメロの記録を約16年ぶりに更新、チームもここ8戦で6勝と絶好調
2月29日(現地時間28日、日付は以下同)に行われたクリーブランド・キャバリアーズとニューオーリンズ・ペリカンズの一戦で、NBA記録が塗り替えられた。
ペリカンズはホームのスムージー・キング・センターでスコアリングショーを披露。ブランドン・イングラムが29得点6リバウンド7アシスト、ザイオン・ウィリアムソンが24得点2スティール、ドリュー・ホリデーが22得点6アシストと、主軸3選手がいずれも20得点以上をマーク。
さらにロンゾ・ボールが6リバウンド12アシスト4スティール2ブロック、デリック・フェイバーズが15リバウンド2ブロックと続き、ベンチスタートのニコロ・メッリが10得点6リバウンド、イートワン・モアが10得点をマークし、116-104で勝利。
直近8試合で6勝を挙げたペリカンズは、26勝33敗でウェスタン・カンファレンス9位へと浮上。プレーオフ出場圏内にいる8位のメンフィス・グリズリーズ(28勝31敗)とのゲーム差を2.0まで縮めている。
ペリカンズにはリーダーのホリデーに司令塔のボール、オールスターに初選出されたイングラム、縁の下の力持ちフェイバーズという役者がいるものの、このチームに最も勢いをもたらしているのはやはりザイオン。
14試合目となったキャブズ戦。ザイオンはボールのタッチダウンパスを何度も得点へと繋げており、トリスタン・トンプソン、ケビン・ラブという経験豊富なキャブズのビッグマン勢を相手にフィールドゴール16投中11本を決め切る高確率なショットでけん引。
キャブズ戦で24得点を挙げたことにより、ザイオンはまた1つ新たな記録を生み出した。『Elias Sports Bureau』によると、昨年のドラフト全体1位指名された大物ルーキーは、10代の選手で史上最長となる10試合連続の20得点超えを果たしたという。
これまでの記録が当時デンバー・ナゲッツのカーメロ・アンソニー(現ポートランド・トレイルブレイザーズ)の9試合連続(2度達成)だったため、ザイオンは約16年ぶりにこの記録を塗り替えたこととなる。
ザイオンはここまで14試合に出場して平均28.6分23.4得点6.8リバウンド2.3アシストにフィールドゴール成功率58.1パーセント。リング下でボールを持つと相手チームはすでに手が付けられないほど強烈なスコアラーと化していると言っていい。
「僕が思うに、世界とメディアがこういった記録について自分自身よりも喜んでると思う」と試合後に笑みを浮かべながら切り出すと、「僕はただ勝利を手にしたいだけ。(記録は)その中で生まれただけのものだと思う」と続けた。
ザイオンがこのままフル出場したとしても、今季の出場試合数は最大で37試合。ロックアウトによる短縮シーズンとなった年も含めて、50試合未満の出場で新人王に輝いた選手は皆無。
それでも、1月下旬にNBAデビューした規格外の体格と超人的な身体能力を兼備する19歳は、これまでの歴史さえも変えてしまう可能性を秘めているのではないだろうか。