2020.02.24

「もっとエナジーを出してプレーしなきゃ」――ザイオンの鼓舞でペリカンズが逆転勝利

ザイオンはゲームハイの28得点を奪い、ペリカンズの勝利に大きく貢献[写真]=Getty Images
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10点ビハインドで迎えたハーフタイムで「エナジーを今よりもっともっと出していこう」と発言し、自らは試合全体で6本のオフェンシブ・リバウンドを奪取

 2月24日(現地時間23日、日付は以下同)。ニューオーリンズ・ペリカンズは敵地チェイス・センターで行われたゴールデンステイト・ウォリアーズ戦の前半終了時点で、46-56と10点ビハインドを背負っていた。

 だが後半に入って息を吹き返し、最後の24分間で69-45とウォリアーズを圧倒。ペリカンズは115-101で勝利し、ここ6試合で5勝目を挙げている。

 ペリカンズのアルビン・ジェントリーHC(ヘッドコーチ)は試合後、「彼は普通の19歳ではない。とても成熟しているし、チームメートたちをとてもリスペクトしている。それに選手たちが彼のことを非常にリスペクトしているね。彼は勝利することしか考えちゃいない。ただ勝つことだけ」と、この日の勝利の立て役者についてコメント。

ジェントリーHC(右)はザイオン(左)に対して「成熟している」と称えている[写真]=Getty Images

 “彼”とはもちろん、昨年のドラフト全体1位指名のルーキー、ザイオン・ウィリアムソンのこと。ザイオンはこの試合で、ゲームハイの28得点に7リバウンド2アシスト1ブロックの大活躍。フリースローこそ6投中成功わずか1本に終わったものの、フィールドゴール20投中13本を放り込んでみせた。

 この試合のハーフタイムで、チームを鼓舞していたのはザイオンだった。「俺はただ、『なぁ皆、俺たちはもっとエナジーを出してプレーしなきゃいけない。今よりもっともっと出していこう』と言ったんだ。そして俺たちが勝利することができた。それ(勝利したこと)が最も重要な部分なのは間違いない」と振り返った19歳の新人は、6本ものオフェンシブ・リバウンドをもぎ取り、チームへセカンドチャンスを数多くもたらしている。

 ペリカンズではザイオンのほか、ドリュー・ホリデーが23得点7リバウンド15アシスト、ベンチスタートのニコロ・メッリが7投中6本の3ポイントを沈める大当たりで20得点、さらにブランドン・イングラムが17得点5アシスト2スティール、ロンゾ・ボールが6リバウンド9アシスト4スティール、ジョシュ・ハートが8得点10リバウンドをマーク。

 198センチ129キロという規格外の体格を誇るザイオンは、通算12試合の出場で平均28.1分22.8得点7.2リバウンド2.3アシストにフィールドゴール成功率58.6パーセントという高確率。これまでフィールドゴール成功率が50パーセント未満に終わったのは、2月5日のミルウォーキー・バックス戦のみという高位安定さを誇っている。

 特にここ4試合ではいずれも25得点、フィールドゴール成功率57パーセント以上という驚異的な成績を残し続けている。『StatMuse』によると、ルーキーでこのパフォーマンスを残したのは、なんとあのマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)以来で、約35年ぶり。

ダブルチームされようとも、ザイオンはお構いなしにショットを決めていった[写真]=Getty Images

 ペリカンズは“驚異の新人”ザイオン復帰で徐々に順位を上げており、ウェスタン・カンファレンス10位(25勝32敗)まで浮上。プレーオフ出場圏内にいる8位のメンフィス・グリズリーズ(28勝28敗)とは3.5ゲーム差まで近づいている。

 その中で、ザイオンは気迫あふれるプレーでチームを盛り立てている。ペイントエリアで多少態勢が崩れようとも、空中に跳び上がってからアジャストして高確率にショットを決めており、貴重なフィニッシャーとして活躍。ハーフタイムで明かされた発言でも抜群の効果をもたらしているため、コート内だけでなく、コート外でも影響力を発揮していると言えるだろう。

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