「今の子たちが気にかけてるのは小切手(サラリー)を受け取り、ビデオゲームとソーシャルメディアで遊ぶことだけ」と現代の選手たちをバッサリ
1980年代から90年代にかけて、NBAではフィジカルコンタクトの応酬により、毎晩激しい肉弾戦が繰り広げられていた。鍛え上げられた肉体とバスケットボールへの愛情、勝利への欲望を前面に押し出し、ディフェンシブなゲームが盛り上がりを見せていた。
85年のドラフト1巡目9位でクリーブランド・キャバリアーズから指名されたチャールズ・オークリー(元ニューヨーク・ニックスほか)は、203センチ102キロという屈強な肉体でNBAを生き抜いてきた選手の1人。
キャリア初期はシカゴ・ブルズでマイケル・ジョーダン(元ブルズほか)の用心棒役を務め、80年代後半から10シーズン所属したニックスでは、パトリック・ユーイング(元ニックスほか)の相棒として、主にペイントエリアで強烈な存在感を発揮。チームに不可欠な“ハート&ソウル”、そしてファンのお気に入り選手としてコートに立ち続けた。
オークリーはキャリア19年の中で、ブルズ、ニックス、トロント・ラプターズ、ワシントン・ウィザーズ、ヒューストン・ロケッツの計5チームに所属。通算1,282試合(うち先発は1,159試合)に出場して平均31.4分9.7得点9.5リバウンド2.5アシスト1.1スティールをマーク。
ブルズでは平均10.6得点10.6リバウンド2.7アシスト、ニックスでも平均10.4得点10.0リバウンド2.3アシスト1.2スティールと、平均ダブルダブルを残した名脇役で、激しい闘争心をむき出しにした熱のこもったプレーの数々で、相手チームの選手たちを震え上がらせてきた。
そのオークリーが、3月14日(現地時間13日、日付は以下同)に『The New York Post』へ掲載された記事の中で、自身が現役だった1990年代と現代の違いについて「バスケットボールは変わってしまった。1990年代に戻ることはない」と言及。
当時と比較すると、現代では選手たちのスキルがアップし、3ポイントが多用されるようになったことで、オフェンス重視という傾向にある。そしてポジションレス・バスケットボールとなり、インサイドだけでなくアウトサイドもガードできる選手たちが重宝されているのだが、オークリーは現代の選手たちについて否定的な言葉を発していた。
「ゲームは全く異なる雰囲気のものになってしまったんだ。リーダーシップを持ってチームを構築して、自己犠牲を払っていかなきゃいけない。だが今の子たちはバスケットボールについて気にかけちゃいない。あの子たちが気にかけてるのは小切手(サラリー)を受け取り、ビデオゲームとソーシャルメディアで遊ぶことだけ」。
歯に衣着せぬ物言いで、現代バスケットと選手たちをバッサリと斬ったオークリー。当時と今では時代が大きく異なり、バスケットボールのスタイルも大きく変わったため、一概に現代の選手たちを責め立てることは正しいとは言えないだろう。
それでも、激しい肉弾戦が日常茶飯事だった当時のバスケットボールは、毎晩身体を張ってタフに戦い抜いてきたオークリーにとって誇れるものであり、今後もずっと色あせないものとなるに違いない。