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『B MY HERO!』
2月19日(現地時間18日)にロサンゼルスのステープルズ・センターで行われる「NBAオールスターゲーム2018」。先月、オールスターの出場選手ならびにロースターが発表され、開催が刻一刻と近づいてきている。バスケットボールキングでは、67回目となるオールスター出場選手紹介に加え、オールスターにまつわる記録や大盛り上がりしたイベント、印象的なゲームなども順次お届けしていく。
今回は、今からちょうど24年前に行われた1994年のオールスターゲームを振り返ってみたい。MJことマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)が1度目の現役引退となったこの年、「我こそが」とスター選手たちがアピールする舞台で、ジョーダンの相棒スコッティ・ピペン(元シカゴ・ブルズほか)が躍動した。
■イースタン・カンファレンス出場選手一覧(所属は当時のもの/太字はスターター)
スコッティ・ピペン(シカゴ・ブルズ)
シャキール・オニール(オーランド・マジック)
BJ・アームストロング(シカゴ・ブルズ)
デリック・コールマン(ニュージャージー・ネッツ)
ケニー・アンダーソン(ニュージャージー・ネッツ)
パトリック・ユーイング(ニューヨーク・ニックス)
マーク・プライス(クリーブランド・キャバリアーズ)
ジョン・スタークス(ニューヨーク・ニックス)
ドミニク・ウィルキンズ(アトランタ・ホークス)
ホーレス・グラント(シカゴ・ブルズ)
ムーキー・ブレイロック(アトランタ・ホークス)
チャールズ・オークリー(ニューヨーク・ニックス)
※出場選手変更(ケガのため)
アロンゾ・モーニング(シャーロット・ホーネッツ)→チャールズ・オークリー
■ウエスタン・カンファレンス出場選手一覧(所属は当時のもの/太字はスターター)
アキーム・オラジュワン(ヒューストン・ロケッツ)
ミッチ・リッチモンド(サクラメント・キングス)
ショーン・ケンプ(シアトル・スーパーソニックス)
カール・マローン(ユタ・ジャズ)
クライド・ドレクスラー(ポートランド・トレイルブレイザーズ)
ジョン・ストックトン(ユタ・ジャズ)
デイビッド・ロビンソン(サンアントニオ・スパーズ)
クリフォード・ロビンソン(ポートランド・トレイルブレイザーズ)
ダニー・マニング(ロサンゼルス・クリッパーズ)
ゲイリー・ペイトン(シアトル・スーパーソニックス)
ラトレル・スプリーウェル(ゴールデンステート・ウォリアーズ)
ケビン・ジョンソン(フェニックス・サンズ)
※出場選手変更(ケガのため)
チャールズ・バークリー(フェニックス・サンズ)→ゲイリー・ペイトン
前年の1993年までブルズで3連覇を成し遂げたアームストロングとグラントをはじめ、この年は10選手がオールスター初出場、うちイーストでは半数以上となる7選手が初めて球宴の舞台に立つという新鮮な顔ぶれ。さらにスタークスは、ドラフト外の選手としては初のオールスター選出となった。
この試合はイーストが序盤から主導権を握り、ウエストからリードを奪っていった。イーストとウエストで差が生じたのは3ポイントシュートだった。イーストが24投中10本を決めたのに対し、ウエストは6投中成功わずか1本と、アウトサイドシュートでは完全にイーストに分があった。ピペンが5本、プライスが2本の3ポイントシュートを決め、インサイドではユーイングが20得点8リバウンドと奮闘した。
もっとも、インサイドではウエストに分があった。オラジュワンが19得点11リバウンド5ブロック、ケンプが12リバウンド3ブロック、ロビンソンが19得点5リバウンド2ブロックを挙げて対抗。また、ストックトンの10本、ペイトンの9本を筆頭に41本のアシストを記録し、高確率でインサイドを攻めていった。
それでも、前半を終えてイーストが72-64とリード。後半に入ってもイースト優位は変わらず、第3クォーターを終えて101-90と、イーストは11点差をつけていた。
すると第4クォーター、ウエストが一気に点差を詰め、試合時間残り7分17秒に108-107と、1点差になった。しかしそこからイーストは19-11と引き離し、最終スコア127-118でイーストが勝利した。
この年のオールスターでMVPに輝いたのはピペンだった。ゲームハイの29得点に加え、11リバウンド4スティールをマークし、ジョーダン引退後のNBAを背負う選手として台頭した。
そしてピペンが着用したシューズも注目を集めた。真っ赤なブルズカラーに染まったシューズでコート上を駆け回ったピペンに並ぶほど、オールスター仕様のレッドシューズが目を引いたのである。
中には「なんだあのシューズは!?」「あの赤いシューズを見たか?」「おいおい、あれはひどいな」と否定的な意見も飛び交った。確かに、あのシューズを履いたからといって、ピペンが普段よりも高く跳んだわけでも、コート上を速く駆け抜けたわけでもなかった。だがほんの少し、ピペンが放つショットに自信を与えたと言えるだろう。
試合を終えたピペンは、会場に集まった複数の現地メディアに対してこう語っていた。
「あれはナイキと夏に行ったミーティングの時にほのめかされたんだ。それで俺はこう言ったんだ。『じゃあ履いてやろうかな』ってね」。
ピペンはジョーダンというあまりにも強烈なスーパースターがいたため、3連覇を達成したチームの2番手でありながら、あまり注目されず“ジョーダンの陰”と言われることもあった。93年秋にジョーダンが引退してからというもの、ピペンはブルズをけん引し、オールスターという大舞台で自らの実力を存分に発揮して、見事に最優秀選手(MVP)の座に就いた。
今思えばピペンにとってこのオールスターは、個人としては最も輝いた瞬間だったと言えるだろう。
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