シーズンを中断しているNBA、現時点における今季の主要アワードを手にするのは誰だ?

シーズンMVP予想はレブロンとなった[写真]=Getty Images

 新型コロナウイルスの感染防止のため、現在NBAはレギュラーシーズンを中断している。3月16日(現地時間15日、日付は以下同)に『ESPN』が報じたところによると、NBAのオーナー陣やエグゼクティブが想定しているのは、6月中旬から下旬にかけて再開し、8月まで行うというシナリオだ。

 その一方で、パンデミックと化した新型コロナウイルスの感染が終息しない場合、今季はこのまま終了となってしまう可能性もある。

 では、現時点における今季の主要アワードはどの選手が手にすることができるのか。ここからは、17日に『USA TODAY』へ掲載されたマーク・メディーナ記者によるアワード予想を紹介していきたい。
※チーム名は略称、成績は日本時間3月17日現在

■MVP(最優秀選手):レブロン・ジェームズ(レイカーズ)

通算5度目となればジョーダンらと並んで歴代2位タイに浮上

 3月6日の練習後、「俺はレギュラーシーズンMVPを獲得するためにプレーしたことはない」と断言したレブロンだが、キャリア17年目の今季は申し分ないパフォーマンスを見せており、ここまで平均25.7得点7.9リバウンド1.2スティールに加えてキャリアハイの10.6アシスト(リーグトップ)を記録。

 メディーナは数字面に加えて、インタンジブル(数字に残らない部分)も高く評価しており、アンソニー・デイビスへファーストオプションの座を譲り、プレーメイカーとして新たなチームメートたちを向上させ、フランク・ボーゲルHC(ヘッドコーチ)を筆頭とするコーチングスタッフをサポート。さらには、1月末にコービー・ブライアント(元レイカーズ)と次女ジアナが帰らぬ人となった後、リーダーとしてレイカーズという組織を一つにまとめ上げたことも、その要因にしている。

 もしこのままレブロンがMVP受賞となれば、マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)、ビル・ラッセル(元ボストン・セルティックス)と並んで歴代2位タイの5度目となる。

■新人王:ジャ・モラント(グリズリーズ)

グリズリーズをプレーオフ争いに参戦させた最大の殊勲者

 サウス・カリフォルニア州という同郷出身のザイオン(平均23.6得点6.8リバウンド)のインパクトは強烈だが、出場試合数が19試合のみのため、モラントが受賞するだろう。

 平均17.6得点3.5リバウンド6.9アシストに加えてフィールドゴール成功率49.1パーセントという高い数字を残しており、グリズリーズをプレーオフ出場圏内のウェスタン・カンファレンス8位(32勝33敗)へと押し上げたことはお見事。

新人王はザイオン(左)ではなく、モラント(右)に[写真]=Getty Images

■最優秀守備選手賞(DPOY):アンソニー・デイビス(レイカーズ)

新天地でも献身的なディフェンスでウェスト首位堅持に貢献

 『NBA.com』のトラッキングデータによると、今季デイビスはマッチアップ相手のフィールドゴール成功率を38.5パーセントに抑え込み、自らはリーグ3位の平均2.4ブロックと、ウェスタン・カンファレンス首位のレイカーズで、リムプロテクターとしても大きく貢献している。

■最優秀シックスマン賞:デニス・シュルーダー(サンダー)

サンダー躍進を実現させた要因の1つ

 クリス・ポールのリーダーシップと勝負強さ、シェイ・ギルジャス・アレキサンダーの急成長と共にサンダー躍進の要因に挙がるのがシュルーダーの活躍。昨年11月26日以降、シュルーダーがクラッチタイム(残り5分で5点差以内の展開)において、ゲームを締めくくるラインナップに入ってから、サンダーは25勝5敗という驚異的な戦績。

■MIP(最優秀躍進選手賞):ブランドン・イングラム(ペリカンズ)

軒並みキャリアハイの成績を残し、球宴初選出

 今季オールスターに初選出されたフォワードは、いずれもキャリアハイとなる平均34.3分24.3得点6.3リバウンド4.3アシスト1.0スティールをマーク。3ポイントでも平均2.4本と、キャリアベストの本数を沈めている。

ペリカンズの得点源へと成長したイングラム[写真]=Getty Images

■最優秀ヘッドコーチ賞:ニック・ナース(ラプターズ)

昨夏のエース退団後、選手層の厚いチームを作り上げた知将

 昨季のファイナルMVPカワイ・レナード(現クリッパーズ)、ダニー・グリーン(現レイカーズ)を失ったディフェンディング・チャンピオンは、ここまでイースタン・カンファレンス2位の46勝18敗でプレーオフ進出を確定。今年1月から2月にかけて、フランチャイズ史上最長となる15連勝をマーク。

 マルク・ガソルの27試合を筆頭に、多くの主力が10試合以上を欠場する中、就任2年目の指揮官は、15ものパターンでスターターを送り込むなど、選手層の厚いチームを見事に操って結果を残している。

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