ゲイリー・ペイトン「コービーには他の連中とは違うメンタリティがあるんだと思った」

レイカーズで1シーズンだけチームメートとなったペイトン(左)とコービー(右)[写真]=Getty Images

「彼にはすごいエゴがあった。だが俺が言うエゴというのは、先輩選手へ何をすべきか聞くということに対するエゴだ」とコービーとのエピソードを明かす

 4月22日(現地時間21日)にYouTubeへ公開された“ALL THE SMOKE”に、ゲイリー・ペイトン(元シアトル・スーパーソニックスほか)がゲストとして出演した。

 マット・バーンズ(元ロサンゼルス・クリッパーズほか)、スティーブン・ジャクソン(元ゴールデンステイト・ウォリアーズほか)と共にトークを展開したペイトンは、今年1月末にヘリコプター墜落事故によって他界したコービー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)との思い出について口を開いた。

 ペイトンはソニックスやマイアミ・ヒートを含む5チームで計17シーズンをプレーした万能型ポイントガード。通算1,335試合(うち先発は1,233試合)に出場し、平均35.3分16.3得点3.9リバウンド6.7アシスト1.8スティールを残し、2006年にはヒートの一員としてチャンピオンシップを獲得。

 だがペイトンと言えば、“ザ・グローブ”という異名のとおり、相手選手をシャットアウトしてしまうディフェンスが真骨頂。オールディフェンシブチームに9度選ばれた実績を持ち、1996年には最優秀守備選手賞にも輝いた。ポイントガードの選手として同賞に輝いた選手はペイトンだけ、ということからも、この男のすごさを垣間見ることができるだろう。

 そのペイトンとコービーは、2003-04シーズンのみレイカーズでチームメートとなったのだが、両者が歩み寄ったのは2000年のオールスターゲームだったという。

「コービーは他とはちょっと違う男だったな。彼にはすごいエゴがあった。だが俺が言うエゴというのは、先輩選手へ何をすべきか聞くということに対するエゴだ。そしてどうすればうまくなるのか、と聞いてきた」とペイトン。

リーグ屈指のディフェンダーとして君臨していたペイトン[写真]=Getty Images

 2000年のオールスター当時、コービー(21歳)はキャリア4年目。フィル・ジャクソンHC(ヘッドコーチ)を迎えたレイカーズは、このシーズンが3連覇を達成した初年度で、リーグ2位の37勝11敗でオールスターブレイクを迎えていた。ペイトンはこう続けていた。

「で、彼はオールスター期間中、どうすればオールディフェンシブファーストチーム入りできるのかと聞いてきたんだ。そこで俺は、センターコートに座って、数多くのことを彼に教えたんだ。そしたら、彼はその年にオールディフェンシブファーストチーム入りしたんだ。俺と一緒にね。その時、俺は彼の中には他の連中とは違うメンタリティがあるんだと思ったね」。

 コービーはペイトンの教えを頭に叩き込み、自分自身のスキルへと取り入れていった。2000年を機に、コービーはオールディフェンシブチームの常連となり、通算12度も選出されてNBAキャリアを終えている。

「誰よりもうまくなりたい」「偉大な選手になりたい」という“エゴ”が誰よりも強かったコービーの向上心とバスケットへの熱を肌で感じたことで、ペイトンは21歳のオールスターへ教えたいと思ったに違いない。

コービーはスコアラーとしてだけでなく、ディフェンダーとしても超一流の選手へと成長していった[写真]=Getty Images

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