「殿堂入りする選手ではない。でもマイアミ・ヒートの選手として殿堂入りし、引退したらすぐにでも永久欠番となるユドニス・ハズレムだ」
1995年にビデオコーディネーターとしてマイアミ・ヒートに雇われたエリック・スポールストラは、97-98シーズンから当時ヘッドコーチ(HC)だったパット・ライリーの下でアシスタントコーチ(AC)を務めてきた。
その後08-09シーズンからHCへと昇格し、今季までで2度のNBAチャンピオン、4度のNBAファイナル進出を果たしており、ここまで564勝387敗(勝率59.3パーセント)。プレーオフでも71勝47敗(勝率60.2パーセント)という好成績を残している。
1988-89シーズンからNBAに参入したヒートというフランチャイズにおいて、スポールストラはライリー(現バスケットボール運営部門代表)と並んで最も長い期間在籍している人物と言っていいだろう。
AC時代を含めると、スポールストラはアロンゾ・モーニング、ティム・ハーダウェイ、ドウェイン・ウェイド(いずれも元ヒートほか)、クリス・ボッシュ(元トロント・ラプターズほか)、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)など、将来のバスケットボール殿堂入り選手たちを指導してきた。
では、スポールストラHCにとって、これまでに指導してきた中で最も好きな選手は誰だったのか。先日行われた『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者とのインタビューで、スポールストラはこう話していた。
「確かに、私は殿堂入りした人(ライリー)のために働くことができ、非常に幸運だった。多くの殿堂入り(する見込みの)選手たちを指導することができた。でもね。私の大好きなヒートの選手は、殿堂入りする選手ではない。でもマイアミ・ヒートの選手として殿堂入りし、引退したらすぐにでも永久欠番となる選手、ユドニス・ハズレムなんだ。彼はミスター・マイアミなのさ」。
フロリダ州マイアミで生まれ育ったハズレムは、マイアミ高校、フロリダ大学でプレーした生粋のマイアミ男。03年8月にドラフト外でヒートへ入団し、ルーキーシーズンから75試合(うち先発は24試合)に出場して平均7.3得点6.3リバウンドとまずまずの成績を残すと、翌04-05シーズンから5シーズンもの間、先発パワーフォワードとして活躍。
ハズレムはディフェンスで裏方的な役割を黙々とこなし、オフェンスではリバウンドからのセカンドチャンスやミドルレンジジャンパーを中心に高確率なショットを沈めた。フランチャイズ史上初の優勝となった06年、レブロンやウェイドを中心に達成した2連覇を経験し、ヒートの優勝3度すべてに貢献してきた。
今後の去就は不透明ながら、もし現役を退いたとしても、ヒート一筋17シーズンをプレーしたハズレムが着用した40番は永久欠番となるに違いない。
Thanks to numerous tweets from #HEATTwitter members like @Brandon_DiPerno… we present to you 40 seconds of #OG40 🙌@ThisIsUD | #HEATCulture pic.twitter.com/YSgmkSjajU
— Miami HEAT (@MiamiHEAT) April 23, 2020