2020.04.30

ヒート球団社長のパット・ライリー「新たなチャンピオンチームを作り上げたい」

チーム史上4度目の優勝を狙うライリー[写真]=Getty Images
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「我々は非常に優れた、とても鍛えられたバスケットボールチームです」と発言

 1988-89シーズンからNBAに参入したマイアミ・ヒートは、今季で創設32シーズン目。そのうちプレーオフには20回出場しており、2006、12、13年と、通算3度の優勝を手にしてきた。

 95年にバスケットボール運営部門代表兼ヘッドコーチ(HC)としてヒートにやって来たパット・ライリーは、3度の優勝に大きく貢献。フロントとして活躍を続ける75歳の球団社長は、主力選手たちがケガに見舞われて戦力ダウンしようとも、タンキング(意図的に負けてドラフト上位指名権を狙うこと)することなく、毎シーズン、現有戦力で勝利すべく奮闘している。

イースト4位にいる今季のヒート(左からロビンソン、ナン、アデバヨ、バトラー)[写真]=Getty Images

 4月30日(現地時間29日、日付は以下同)。ヒートの公式ツイッターに、ライリーのメッセージ付き動画が公開された。

「私はチャンピオンチームを作り上げたい。そんなに辛抱強くはないんだ。私はまた新たなチャンピオンシップチームを作り上げたいんだ。我々は(その位置まで)近づいている」。

 ライリーがそう話したように、ヒートは昨季よりも確実に戦力アップしている。昨季プレーオフ進出を逃したヒートは、昨夏の大型トレードでジミー・バトラーとマイヤーズ・レナードをロースターに加え、ドラフトではタイラー・ヒーローを指名し、ドラフト外でケンドリック・ナンと契約、さらには大ベテランのユドニス・ハズレムとも再契約。

 3年目のバム・アデバヨ、2年目のダンカン・ロビンソンの急成長もあり、バトラーを中心とした布陣で好スタートを切ると、今季途中にはトレードで経験豊富なアンドレ・イグダーラジェイ・クラウダー、ソロモン・ヒルを獲得してさらなる戦力増強に成功。

 シーズン中断時点でイースタン・カンファレンス4位の41勝24敗という好成績を残しており、イーストを勝ち上がってNBAファイナルへ進出する可能性も決してゼロではないチームと言っていい。ライリーはエリック・スポールストラHCの仕事ぶりを称賛しつつ、今季についてこう評している。

「我々はタイラー・ヒーローケンドリック・ナン、あるいはダンカン・ロビンソンがこれほどすばらしいとは分かっていなかった。それにこのチームにはゴラン(ドラギッチ)とジミー・バトラーがおり、バム・アデバヨ、マイヤーズ・レナード、ケリー・オリニクもいる。我々は非常に優れた、とても鍛えられたバスケットボールチームです」。

 フランチャイズ史上4度目の優勝に向けて、「我々には新たな選手が必要かどうか、私には分からないが……正しい位置にいる。このチームはタイトルコンテンダーなんだ」とライリーが語っているため、現有戦力に自信を持っていることは間違いない。

 ただし、もしこのまま今季終了となれば、フリーエージェント(FA)戦線が待ち受けている。ドラギッチ、クラウダー、ヒル、レナード、ハズレムにデリック・ジョーンズJr.が制限なしFA、オリニクがプレーヤーオプションとなる。ナンとロビンソンは来季の契約がチームオプションのため、確実にロースターへ残すだろうが、FAの選手たち全員と再契約を結ぶことはさすがに厳しいだろう。

 そのため、来季に向けてロースターをマイナーチェンジする可能性はある。だがライリーならば、ヒートを優勝へと導くべく、より強力なロースターを作り上げると期待したい。

シックスマンへと転向後も活躍を続けるドラギッチの去就が気になるところだ[写真]=Getty Images

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