NBAドラフト2019で全体9位指名を受け、ワシントン・ウィザーズに加入した八村塁。新型コロナウイルスによりシーズン中断を余儀なくされているものの、これまでのスタッツをライバルのルーキーたちと比較してみると、その活躍には9位以上の価値がある。
1試合平均13.4得点は、ルーキー全体で第5位。これは、コービー・ホワイト(シカゴ・ブルズ)やディアンドレ・ハンター(アトランタ・ホークス)ら派手な活躍を披露する同期たちを上回る数字で、開幕前にウィザーズが指名すべきと言われていたキャメロン・レディッシュ(ホークス)に2.9得点差をつけている。そして、リバウンドではルーキー全体1位となる1試合平均6.0リバウンドを記録しており、平均値が6.0リバウンド以上に達しているのは八村のみである。(※ただし、規定出場試合数に達していないニューオーリンズ・ペリカンズのザイオン・ウィリアムソンを除く)
所属球団のウィザーズは、そんな期待以上の活躍を続ける八村にスポットライトを当て、2019-20年シーズンの現段階におけるベストゲーム3試合をピックアップした。
※開催日はすべて現地時間
この試合は、現代バスケにフィットする八村の多彩なスキルが遺憾なく発揮されたゲームだ。ポストプレー、伝家の宝刀のミドルレンジ、そしてトランジションでのボール運びと、攻守の両面でバリエーションの豊富さを見せつけた。32分の出場で20得点をマークし、スティールとブロックもともに2本を記録。最終的には+20と、抜群の存在感を発揮した。
第2位
2019年12月5日 – フィラデルフィア・セブンティシクサーズ戦
30得点でキャリアハイを記録したわずか4日後、八村は強豪のシクサーズ相手に27得点を叩き出し、18本中11本のフィールドゴールを成功させた。スコット・ブルックHCも八村の活躍には舌を巻き、「クレイジーだよ。まるで7〜8年プレーしている選手のようだ。あの男は紛れもない勝者で、正しい方法でプレーしている」と手放しに賛辞を送っている。
第1位
2019年12月1日 – ロサンゼルス・クリッパーズ戦
やはり、今季の八村のベストゲームと言えば、圧巻の30得点を記録したクリッパーズ戦だろう。30得点を記録せずに引退する選手も数多く存在するなか、八村はNBA挑戦からわずか23試合で大台に到達したのだ。強靭なフィジカルを活かして何度もペイントエリアから得点し、この日はミドルシュートも好調。試合には敗れたものの、試合後には比較されるカワイ・レナードから「優れた選手だ。基本がしっかりしている」と評価され、ポール・ジョージも「非常に優れたルーキー。これまでたくさんのルーキーを見てきたが、その中でも際立っている」と賞賛。NBAのトッププレーヤーである2人に「ウィザーズに八村あり」という印象を植え付けた。
文=Meiji