ウォリアーズACが新人アレン・スマイラギッチを称賛「ものすごく強い印象を与えた」

スマイラギッチはセルビア出身のフォワード[写真]=Getty Images

昨年のドラフト当日に将来のドラフト2巡目指名権2本を差し出して獲得

 ゴールデンステイト・ウォリアーズの2019-20シーズンは、新型コロナウイルスの影響で中断となった時点で15勝50敗(勝率23.1パーセント)と不甲斐ない戦績となり、リーグワーストという屈辱的な結果となった。

 ベテラン選手たちの退団、主力選手の相次ぐケガがあったとはいえ、昨季までの5シーズンはいずれも57勝以上を記録してきただけに、新たな時代へと移行するきっかけになったと言ってもいいだろう。

フランチャイズプレーヤーのカリーは今季わずか5試合の出場に終わった[写真]=Getty Images

 6月3日(現地時間2日、日付は以下同)にリーグの情報筋から『ESPN』が得た情報によると、今季のシーズン再開は8月1日から最大で10月13日(NBAファイナル第7戦の日程)まで行われる方向でリーグ側が進めているという。

 もっとも、参戦予定のチームはプレーオフ出場圏内にいる計16チームと、イースタン・カンファレンスとウェスタン・カンファレンスの8位のチームに6.0ゲーム差以内のチームを加えた計22チームというのが現在最も有力と報じられている。

 そのため、すでにプレーオフ出場への道が途絶えたウォリアーズの今シーズンは、事実上終了したと言っていい。

 そんな中、ウォリアーズのアシスタントコーチ(AC)を務めるロン・アダムズが、5月29日に公開された『The Athletic』のティム・カワカミ氏との「The TK Show」で、ルーキーのアレン・スマイラギッチについて「彼には今、ベストなスキルが備わっている。それに若手であり、ゲームを恐れることがない。コートに立つとスイッチが入るんだ。いくつかいいプレーを見せてくれたよ」と評していた。

 セルビア出身のスマイラギッチは、昨年のドラフト2巡目全体39位でニューオーリンズ・ペリカンズから指名された208センチ97キロのフォワード。ウォリアーズは2021、23年のドラフト2巡目指名権と現金を差し出し、ドラフト当日に成立したトレードで獲得していた。

「彼は今シーズン、注目に値するプレーを見せていた。彼には自信、ゲームに関する知識、出番を求める貪欲さがある」とロン・アダムズAC

 昨年末にNBAデビューしたスマイラギッチは、今季ここまで14試合に出場して平均9.9分4.2得点1.9リバウンドと、主要ローテーションには入っておらず、Gリーグで残した平均15.2得点6.2リバウンド1.4アシスト1.1スティールという数字を見ても、決して特筆すべき成績とは言えない。

 それに加えて、ウォリアーズのフロントコートにはドレイモンド・グリーン、マーキーズ・クリス、エリック・パスカルケボン・ルーニーといった選手たちがおり、今年のドラフトでは上位指名権を手にする可能性が高く、即戦力のビッグマンを指名する可能性もあるため、スマイラギッチが来季以降に出番が増えるかどうかは分からない。

 それでも、複数のNBAチームで豊富なAC経験を持つアダムズは「彼は今シーズン、注目に値するプレーを見せていた。彼には自信、ゲームに関する知識、出番を求める貪欲さがある。それらはものすごく強い印象を与えたんだ」と期待を寄せていた。

来季巻き返しを図るウォリアーズで、スマイラギッチは台頭できるか?[写真]=Getty Images

 3月6日のトロント・ラプターズ戦でステフィン・カリーが左手の骨折から約4か月ぶりに復帰後、スティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)は翌7日に地元メディア『The Mercury News』へこんな言葉を残している。

「我々はこれまでとは違う、新しいウォリアーズになるだろう。それはエキサイティングなことであり、このチームのスタッフやマネジメント陣、選手たちはそれを喜んで受け入れている。前触れもなく、(ロースターの中で)ステフとドレイモンドがベテランとなり、若手たちが頭角を現している。我々は彼らを育成できるように努めており、彼らがこのチームの今後を担うことができると思っている。これまでとは非常に異なるチームになるだろうね」。

 スマイラギッチは19歳とまだ若く、今後の成長にも大いに期待できるビッグマン。複数のポジションをこなし、カリー、グリーン、クレイ・トンプソンが中心のチームの中で、今後存在感を示すことができるかに注目していきたい。

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