ジョーダンとコービーについて語るジャクソン
かつてヘッドコーチとしてシカゴ・ブルズで2度の3連覇を達成し、その後はロサンゼルス・レイカーズで3連覇と2連覇を成し遂げたフィル・ジャクソン。コーチとして合計11回の優勝はNBAでも歴代最多であり、戦術では長年トライアングル・オフェンスを導入。ケミストリー構築には座禅を用いるなど、“禅マスター”と呼ばれた彼の指導法は、特徴的であったことで有名である。
そしてその輝かしい実績とともに、ジャクソンはマイケル・ジョーダン(元ブルズほか)とコービー・ブライアント(元レイカーズ)を長年指導してきたことでも有名だ。NBAにおいてもっとも偉大な選手、バスケットボールの神様とも評されるジョーダンと、その偉大な彼の背中を現役時代ずっと追い続けていたコービー。2人のポジションが同じであり、またプレースタイルや非常に負けず嫌いな性格も似ていることから、両者は長年比較され続けてきた。
『ESPN』のティム・マクメイナス記者によると、NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)のフィラデルフィア・イーグルスのテレビ会議に姿を現したジャクソンが、ジョーダンとコービーについて語ったそうだ。彼によれば、2人はチームメートに対し、自分の役割が大きいものでも小さいものでも、プライドを持つことが重要であると強く訴えていたという。
またジャクソンによれば、ジョーダンとコービーは皆が自分自身の役割を把握し、それを楽しむことも大切だと考えていたそうだ。チームがあるとすれば、それぞれに居場所や役割があるからである。またどんな役割を与えられたとしても、物事が変化するまで受け入れ続けなければいけない。何故ならケガが起きたりほかに何かが起きても、チームの一員として、そういった時にどのようにして自分を扱えるかがとても重要だからだと言う。この会議に参加し、ジャクソンから貴重なエピソードを聞くことができたイーグルスのブランドン・グラハムは、「最高だったよ。レジェンドがそこにいたのだからね」と振り返っている。
NBAの歴史に名を刻んだジョーダンとコービーと、同様にヘッドコーチとして実績を残したジャクソン。こうしてスポーツの枠を越えて人々に影響を与えることができるのは、それだけに彼らがスポーツ界において偉大な存在であることを意味しているのかもしれない。