昨季まで約9年在籍したジャズへ帰還、あるいはヘイズの教育役として残留か
今季ユタ・ジャズはオールスター本戦にルディ・ゴベア、ドノバン・ミッチェルを送り出し、シーズン中断時点でウェスタン・カンファレンス4位の41勝23敗(勝率64.1パーセント)という好成績を残している。
昨夏のフリーエージェント(FA)戦線で、ジャズはミッチェルに次ぐ2番手スコアラーとしてボーヤン・ボグダノビッチ、バックアップのポイントガード役にエマニュエル・ムディエイ、ビッグマンのエド・デイビスとも契約。そして4選手と今年のドラフト1巡目指名権(条件付き)とのトレードで司令塔マイク・コンリー、さらには今季途中にインスタントスコアラーのジョーダン・クラークソンを獲得。
これらの補強によりオフェンス力が増したジャズは、ここまでオフェンシブ・レーティング(100回のポゼッションにおける得点)でリーグ8位の112.1という好数字を記録しており、チーム力は着実に増したと言っていい。
ところが、オールスター後は5勝5敗と苦しみ、勝ち星を伸ばせずにいた。この要因にはボグダノビッチのシューティングスランプもあるのだが、最大の要因はディフェンスにある。シーズン中断時点ではディフェンシブ・レーティング(同失点)でリーグ11位の108.8ながら、オールスター後で見てみると、その数字はリーグ23位の115.2まで悪化。
クイン・スナイダーHC(ヘッドコーチ)が指揮を執るジャズは、もともとディフェンス力を最大の強みにして勝利を収めてきたチーム。昨季までの3シーズンはディフェンシブ・レーティングでいずれもリーグ3位以内をキープしてきただけに、ディフェンスはこのチームのアイデンティティと言ってもいい。
7月31日(現地時間30日、日付は以下同)にシーズンが再開される方向性で進む中、『The Athletic』でジャズの番記者を務めるトニー・ジョーンズ記者は6月13日に公開された「Game Notes: A Show About The Utah Jazz」で、昨夏ニューオーリンズ・ペリカンズへ放出したビッグマン、デリック・フェイバーズが来季ジャズへ復帰するかもしれないと話していた。
「両者(ジャズとフェイバーズ)は少なからず興味があると言っておこう。フェイバーズには2つ(ジャズへ復帰あるいはペリカンズと再契約)の道があるだろう。ペリカンズが(フェイバーズと)再契約することを望んでることは知ってる。4年契約を結ぶかどうかは分からないが、ジャクソン・ヘイズが成長するまでの間、2年契約を結ぼうとしているんじゃないか」。
ペリカンズにはザイオン・ウィリアムソンのほか、ヘイズという211センチ99キロのビッグマンがいる。ザイオンが今年1月下旬にデビュー後、ペリカンズはベテランのJJ・レディックをベンチスタートとし、ザイオン、ブランドン・イングラム、フェイバーズで先発フロントコートを形成し、オールスター後は5勝4敗(勝率55.6パーセント)と勝ち越してきた。ヘイズの教育役として、ペリカンズはフェイバーズを重宝しているのだろう。
昨季までジャズで約9シーズンをプレーしてきたフェイバーズは、今季ペリカンズで45試合(うち先発は43試合)に出場して平均24.2分9.2得点9.9リバウンド1.7アシスト1.0ブロックをマーク。フィールドゴール成功率(62.0パーセント)とリバウンド、アシスト数はキャリアハイを残している。
ジャズの強固なディフェンスを支えてきたフェイバーズは今季終了後に制限なしFAとなるだけに、28歳のビッグマンにはジャズとペリカンズ、あるいは他のチームが獲得へ向けて触手を伸ばすことになりそうだ。