コービーにとって現役最後となったシーズンから良好な関係を築いたトーマス
現地時間6月21日は父の日として、NBA選手たちが父親との思い出やエピソードを綴り、写真や動画と共にSNSへ発信していた。
そんな中、現在フリーエージェント(FA)のアイザイア・トーマスは自身のツイッターへ、今年1月末にヘリコプター墜落事故によって他界してしまったコービー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)との思い出を投稿。
「僕はいつも、父の日にはコービーへテキストを送ってたなぁ。で、彼はすぐに返してくれたんだ。安らかに眠ってくれよ」。
トーマスはワシントン・ウィザーズで今季開幕を迎え、今年2月のトレードでロサンゼルス・クリッパーズへと移籍後に解雇された。7月31日(現地時間30日)にフロリダ州オーランドで今季の“第二幕”を迎えるにあたり、キャリア平均18.1得点2.5リバウンド5.0アシストを誇る小兵がどこかのチームへと加入し、再びスコアリングショーを開演する可能性は十分あるだろう。
そんなトーマスにとって、コービーはメンター(助言者)であり、良き友人でもあった。コービーにとって現役最後となった2015-16シーズン。15年12月末にボストンへ凱旋し、長年のライバルであるボストン・セルティックスと対戦した時、トーマスはコービーとミーティングの機会を設けて、いくつかアドバイスをもらっていたと2018年に『Spectrum SportsNet』へ明かしている。
当時セルティックスでエースを務めていたトーマスに対し、コービーはいつでも連絡を取り合えるようにと、自身の電話番号を書いたメモを渡し、両者は定期的に連絡を取り合ってきた。
2016-17シーズン。トーマス率いるセルティックスはイースタン・カンファレンス1位(53勝29敗)としてシカゴ・ブルズとのプレーオフ ファーストラウンド初戦を翌日に控える中、妹のチャイナ・J・トーマス(享年22)が交通事故で他界するという悲劇が襲い、トーマスが精神的に苦しんでいた時も、コービーは支えていた。
「妹を亡くしてから2、3週間の間、僕らはずっとコミュニケーションをとってきた。特に第2戦以降、彼(コービー)は大きな助けになった。FaceTimeを通じて30分、試合の映像を見ていたんだ。僕に対して、彼が見て気づいたことや僕がどうすればいいのか、そしてどうしたらチームを勝たせることができるのかを教えてくれた」。
コービーのアドバイスもあり、セルティックスは4勝2敗でブルズを下し、イースト準決勝ではウィザーズを4勝3敗で撃破。クリーブランド・キャバリアーズとのイースト決勝ではトーマスがケガのため3戦目から戦線離脱したこともあり、1勝4敗で敗退。
だがウィザーズとのシリーズ第2戦でトーマスはキャリアハイの53得点をマーク。妹の誕生日に会心のパフォーマンスを披露し、トーマスは勝利に大きく貢献したのである。
ちなみに、プレーオフにおける53得点は現役最多。31歳のインスタントスコアラーが再びプレーオフという大舞台でプレーする姿を見てみたいと思う人は多いはずだ。