カリーを『異質の存在』と感じたマイヤーズGM
2009年にNBA入りを果たし、これまで多くの功績を残してきたゴールデンステイト・ウォリアーズのステフィン・カリー。スリーポイントシュートの新記録を数多く打ち立ててきただけでなく、2度のシーズンMVP受賞、そして3回のリーグ制覇など、現役選手でありながら、まるで将来の殿堂入りが約束されているような輝かしい実績を保持している。
ファイナルに進出し続けた過去5シーズンの活躍ぶりを振り返ってみても、彼がリーグを代表するスーパースターの1人であることに疑いの余地はない。また巧みにスクリーンを利用してフリーになるスキルや、スリーポイントラインから離れた位置からディープスリーを沈める姿からは、カリーが普通とは違う領域の選手であることがうかがえる。
これまで多くの人々を驚かせてきたカリーだが、『95.7 The Game』に出演したウォリアーズのボブ・マイヤーズGM(ゼネラルマネージャー)は、彼のプレーから特別なものを感じていたことを明かした。それは2013年のプレーオフのセカンド・ラウンド、アウェイでのサンアントニオ・スパーズとのシリーズ第2戦のこと。「彼がトップでスクリーンを使い、片足でスリーポイントを沈めたんだ」と、説明するマイヤーズGM。「それから私はアシスタントGMを見て、『彼は片足でシュートをしたのか?』と口にした。自然なプレーだった。そして私はこう言ったよ。『彼はほかの選手とは異質な存在だ』とね」と、コメントしている。
またカリーの印象的なプレーを目にしたマイヤーズGMは、「あれはとても際立った目を引くプレーであり、彼はそれをやってみせたんだ。そしてあることを考え始めた。あのショットを沈める以前から、彼が素晴らしいと思わなかったわけではないが、素晴らしさと卓越さには違いがあるのではないかと」と、話す。そのショットは、カリーがほかの選手とは異なる存在であることを決定づけるものであったと確信したマイヤーズGMは、「NBAには素晴らしい選手が多くいると思う。しかしステフのような、カテゴリーさえも超越してしまう卓越した選手は存在する」と言葉にした。
今季ウォリアーズは相次ぐ主力選手の故障に苦しみ、リーグワーストの戦績を記録。カリー自身も左手を骨折し、長期離脱を余儀なくされた。苦しいシーズンであったことは間違いないが、選手たちは傷を癒して来季に向けて準備に励むことだろう。そして新たな王朝を築くために、カリーは再び試合で猛威を振るってくれるはずだ。