2021.11.12
今シーズン途中、ルーキー時代から所属していたミネソタ・ティンバーウルブズを離れ、トレードでゴールデンステイト・ウォリアーズへと移籍したアンドリュー・ウィギンス。2014年NBAドラフト1位の彼は、かつてウルブズでスター選手としての活躍を期待されていた。2016-17シーズンにはキャリアハイとなる1試合平均23.6得点をマークし、そのシーズン終了後には大型の契約延長をチームから勝ち取る。だがそこからさらに飛躍を遂げることができず、個人成績は伸び悩んでいた。
しかしウィギンスは25歳と年齢的にはまだ若く、これまでのプロキャリアにおいて深刻な大ケガを患ったことはない。またコンスタントに得点を稼げるだけでなく、身長203センチにウイングスパン213センチと、ウイングとして申し分ないサイズを持ち合わせていた。事実ウォリアーズはウィギンスのそういったポテンシャルに注目していたようで、ドレイモンド・グリーンは彼のディフェンスやウイングとしての潜在性を高く評価し、長期的にチームにフィットすると述べていた。
『NBC Sports Bay Area/California』によると、ウィギンスのウォリアーズでの将来性について期待している人物がほかにもいるそうだ。かつてキラー・クロスオーバーを武器に、リーグで活躍したティム・ハーダウェイ(元マイアミ・ヒートほか)である。彼はウィギンスについて、「多くのことでチームを助けていくだろうし、人々が彼はやらないだろうという多くのこともこなしていくだろう」とコメント。また彼の万能性のみならず、ウォリアーズにやってきたことで、いわゆる“1番手”というプレッシャーから解放された点についても以下のように言及した。
「ウィギンスは自分が3番手か4番手で活躍できるチームを必要としていた。だからこそウォリアーズにとって素晴らしいトレードだったんだ。彼は1番手や2番手になることを望んでおらず、それは彼にとって大きなプレッシャーだった。ただバスケットボールをプレーし、楽しみ、そしてプレッシャーを自分に与えたくはなかったんだ」
このハーダウェイの考えに対して、どうやら球団側も同意見の様だ。同メディアのドリュー・シラー記者によれば、ウォリアーズのスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)はウィギンスについて、「ミネソタは彼にスター選手になることを必要としていたが、我々はそれを求めなかった。我々が彼に求めたのは、すでに何人かのスター選手が所属するチームで、自分の仕事に取り組むことだったんだ」と、明かしている。チームにはステフィン・カリー、クレイ・トンプソンという絶対的なスター選手が在籍しており、精神的なリーダーとしてドレイモンド・グリーンも存在している。ウィギンスは重圧を感じることなく、自身の役割に徹することができるだろう。
今季戦績でリーグワーストを記録したウォリアーズが、来シーズンに再び優勝争いに加わるには、ウィギンスの成長と活躍は必須だ。来季は果たして彼がどのような戦いぶりを披露するのか、多くのファンが注目することだろう。
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