ジョーダン、ベイラーに次ぐ快記録を残すも4Q終盤に痛恨のミスを犯して敗戦
8月18日(現地時間17日、日付は以下同)。NBAのプレーオフ ファーストラウンドが幕を開け、ウェスタン・カンファレンス3位のデンバー・ナゲッツと同6位のユタ・ジャズによるシリーズ初戦が第1戦として行われた。
今季の直接対決はナゲッツの3戦無敗ながら、8月9日の試合では2度の延長にもつれ込む大激戦。この試合、最初の2試合で計22得点と落ち込んでいたジャズのエース、ドノバン・ミッチェルがフィールドゴール成功率36.4パーセント(12/33)と苦しみながらも35得点を奪う奮戦を見せていた。
迎えたシリーズ第1戦。「最も大事なことは、正しいプレーをしていくことだった」と振り返ったミッチェルが驚異的なスコアリングショ―を開演。この日はフィールドゴール成功率57.6パーセント(19/33)、3ポイント成功率40.0パーセント(6/15)、フリースロー成功率100.0パーセント(13/13)でなんと57得点に9リバウンド7アシスト。23歳ながらプレーオフNBA歴代3位となる高得点をたたき出したのである。
これはマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか/63得点)、エルジン・ベイラー(元ロサンゼルス・レイカーズ/61得点)に次ぐ快記録で、カール・マローン(元ジャズほか/50得点)が持つフランチャイズ最多記録も大幅に更新。そしてアイザイア・トーマス(現無所属/53得点)を抜き去り、現役最多得点へと浮上した。
だが試合は延長の末に125-135でジャズは敗戦。第4クォーター残り約3分からは、ミッチェルとナゲッツが誇るスコアリングガード、ジャマール・マレーによる点の取り合いへと発展。そんな中、ジャズは残り1分55秒にルディ・ゴベアがニコラ・ヨキッチのショットをブロックし、4点をリードしていた。
ところが、ここでミッチェルがフロントコートにボールを運びきれずに痛恨の8秒バイオレーション。すると直後のポゼッションでマレーが長距離砲を見舞って1点差まで詰め寄る。その後ナゲッツに逆転されたものの、残り22.1秒にミッチェルのフリースロー2本が決まってなんとか延長に持ち込むも、その後ナゲッツの集中砲火に遭い、ジャズは勝利を逃すことに。
「あれは俺のミス。リーダー、そしてポイントガードとしてやってはいけないプレーだった。あれがゲーム全体の流れを変えてしまったんだ」とミッチェルは8秒バイオレーションを悔やんだものの、「でもだからといって、この敗戦で過剰に反応しちゃいけない。これはあくまで1つの試合なんだ」と次戦へと切り替えるようにしていた。
マレーは「最高に楽しいことだし、ものすごいやり合いになる」と激戦を大歓迎
ジャズではミッチェルのほか、ジョー・イングルズが19得点5リバウンド6アシスト、ジョーダン・クラークソンが18得点、ゴベアが17得点7リバウンド4ブロックをマーク。
一方のナゲッツは、シーディングゲームに続いてこの日もウィル・バートンとギャリー・ハリスというウイングの主力を欠くなか、マレーがチームトップの36得点に5リバウンド9アシスト、ヨキッチが29得点10リバウンド、ジェレミー・グラントが19得点、モンテ・モリスが14得点、マイケル・ポーターJr.が13得点8リバウンド、トーリー・クレッグが11得点で勝利に貢献。
この日大暴れを見せたマレーは「俺は笑ってたよ。なぜかって、こういうゲームがしたかったからさ。最高に楽しいことだし、ものすごいやり合いになるからさ」と振り返り、勝利の立て役者として殊勲の活躍を見せた。
もっとも、ナゲッツのマイケル・マローンHC(ヘッドコーチ)はミッチェルの超絶パフォーマンスはある程度覚悟していたようだ。
「もしドノバン・ミッチェルが平均57得点して勝利しようものなら、私は作戦板から逃げてしまうだろうね。(相手は)マイク・コンリーが不在でシリーズが始まるから、『彼はこれまで以上にアグレッシブに攻めてくるぞ』と言っていたんだ。今夜の彼がまさにそうだったのさ」。
コンリーは息子誕生のため開催地を離れており、シリーズ序盤の数試合を欠場予定。20日の第2戦に向けて、マローンHCは再度気を引き締めていた。
「我々は満足などしていない。このシリーズは長くなるんだ。長い長いシリーズにおける1つのステップに過ぎない。このチームはもっと向上できる部分がたくさんある」。
ナゲッツとしては2連勝して一気に流れを手にしたいところ。対するジャズは、この日こぼれ落ちた勝利を手にするべく、第2戦でリベンジを果たしたい。