「彼らのボールハンドリングやショットまでの動きを見ていると、タイラーにはいくつか(カリーと)似ているものがある」
昨年のドラフト1巡目13位でマイアミ・ヒートから指名されたタイラー・ヒーローは、開幕からローテーション入りし、レギュラーシーズンでは55試合(うち先発は8試合)に出場して平均27.4分13.5得点4.1リバウンド2.2アシストに加えて3ポイント成功率38.9パーセント(平均2.1本成功)と、ルーキーとしては合格点を与えられる成績を残した。
するとプレーオフに入ってから存在感を増し、ここまで14試合に出場して全試合で2ケタ得点をマーク。平均33.1分16.3得点5.5リバウンド3.7アシストに3ポイント成功率37.9パーセント(平均2.6本成功)と、堂々たるプレーで好調ヒートをベンチから支えている。
そんな中、今季途中にトレードでヒートへ加入した大ベテラン、アンドレ・イグダーラは昨季までゴールデンステイト・ウォリアーズで6シーズンを共に過ごしたステフィン・カリーとヒーローの共通点について指摘。
9月25日(現地時間24日、日付は以下同)に『Sports Illustrated』へ掲載された記事の中で、イグダーラは「俺はあの2人を比較するわけじゃない」と前置きしたうえで、「でも彼らのボールハンドリングやショットまでの動きを見ていると、タイラーにはいくつか(カリーと)似ているものがある」と発言。
ヒーローはケンタッキー大学の先輩、デビン・ブッカー(フェニックス・サンズ)を参考にしてきたと明かしているものの、イグダーラはカリーを間近で見てきたことで「オフボールからショットまで持ち込む時、キャッチ&シュートの時にいくつか似ている部分がある」と話していた。
シーズン中断期間に、ヒーローは地元メディア『South Florida Sun Sentinel』へこんなことを話していた。
「同じ選手をずっと研究しているんだ。クレイ・トンプソン(ウォリアーズ)、レイ・アレン(元ボストン・セルティックスほか)、CJ・マッカラム(ポートランド・トレイルブレイザーズ)、スティーブ・ナッシュ(元サンズほか)、ブラッドリー・ビール(ワシントン・ウィザーズ)といった選手たちを見てきた。そこで僕はそれぞれの選手から異なったものを吸収している」。
トンプソンとアレンはNBA史上有数のキャッチ&シュートの使い手で、高位安定したシュート力の持ち主なのだが、イグダーラはショットに持ち込むまでの動き、オフボールからボールを受け取るまでの動きなど、ゲームの中で見せるムーブで、いくつかカリーと似ている部分を感じたのだろう。
2000年生まれの選手として、史上初となるカンファレンス・ファイナルを経験しているヒーロー。28日に行なわれるシリーズ第6戦でヒートがボストン・セルティックスを下すことができれば、ヒーローはルーキーながらNBAファイナルという最高の舞台に足を踏み入れることとなる。
今後もプレーオフという大舞台で輝きを放つ強心臓ルーキーのプレーに注目していきたいところだ。