最近、日本でも話題になっている「副業」。NBAではプロとしてプレーする傍ら、現役時代からセカンドビジネスに着手している選手も少なくない。例えば、ステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)は酸素水を展開する会社「Oxygen」のオーナーであり、4度目のチャンピオンリングとファイナルMVPを獲得したレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)は投資家としての才能も規格外と言われている。
シーディングゲームのMVPを受賞したデイミアン・リラード(ポートランド・トレイルブレイザーズ)もプロ以外の一面を持つ選手である。リラードは「Dame D.O.L.L.A」名義でラッパーとしても活動しており、亡きコービー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)に捧げる楽曲“Kobe”では、レイカーズの大ファンとして知られるヒップホップ界の超大御所、スヌープ・ドッグを客演に迎えたほどだ。
そんなリラードが、今度は経営者としての肩書きを手にした。ブレイザーズの大将は、長年の友人でありビジネスパートナーのブライアン・サンダースとともに、「トヨタ自動車」のカーディーラーをスタート。場所は酒造業でも有名なオレゴン州マクミンビルで、建物の外観にはトヨタのロゴの横と「DAMIAN LILLARD」の名前が大胆に掲げられている。
店内には、厳選されたトヨタの最新車両のほか、卓球台や垂直跳びの計測器、シューティングゲームなどのアミューズメントスペースを設置。また、リラードの歴代シグネチャーモデルがずらりと展示されているスペースも存在し、リラードファンにはたまらない空間となっている。
そして、このカーディラーでクルマを購入した人は、「デイミアン・リラード・VIPクラブ」に入会することができるそう。会員には、リラード本人が訪れるイベントの参加権をはじめ、同選手との写真撮影、トレイルブレイザーズの試合観戦、ヤムヒル郡のワイナリーやエヴァーグリーン航空宇宙博物館の見学、ポートランド・ティンバーズ(プロサッカーチーム)の試合や地元開催のコンサートチケット購入など、様々な特典を用意。さらに、1年に1回、抽選で40名をリラードが出場する試合に招待し、招待客は特等席で試合を観戦できるという。
もちろん、デイムの旺盛なサービス精神は、顧客だけでなく従業員にも向けられている。リラードはオープンを記念して、従業員全員に『デイム 6』とディーラーのオリジナルロゴが入ったポロシャツをプレゼントしたようだ。
ブレイザーズファン垂涎の「デイミアン・リラード・トヨタ」。数年後には、ポートランドの街中がトヨタ車で溢れかえっているかもしれない。
文=Meiji