「我々は自分たちにとって何が優先なのかは分かっている。それはこのチームの選手たちを大事にすること」とパット・ライリー
10月24日(現地時間23日)。マイアミ・ヒートのパット・ライリー球団社長がシーズン終了会見を行なった。
ヒートは今季、イースタン・カンファレンス5位の44勝29敗でレギュラーシーズンを終えると、プレーオフに入ってから快進撃。ファーストラウンド(対インディアナ・ペイサーズ)を4戦負けなしで突破すると、カンファレンス・セミファイナルでは優勝候補のミルウォーキー・バックスを4勝1敗で撃破。
カンファレンス・ファイナルでボストン・セルティックスを4勝2敗で下し、2014年以来初のNBAファイナル進出。ロサンゼルス・レイカーズとのNBAファイナルに2勝4敗で敗れたことでフランチャイズ史上4度目の優勝を逃したものの、大成功と言っていいシーズンだった。
もっとも、来季もヒートで契約下にある主力はジミー・バトラー、バム・アデバヨ、タイラー・ヒーロー、アンドレ・イグダーラのみ。チームオプションのダンカン・ロビンソン、ケンドリック・ナンは低年俸のため、チーム側がほぼ確実に残すと予想できるものの、来季開幕までの間、フロント陣がやらなければならないことは多い。
「我々は自分たちにとって何が優先なのかは分かっている。それはこのチームの選手たちを大事にすること。それを速やかに決断していかなければならない」。
ライリーがそう語ったように、ヒートでは今季オールスターに初選出されたアデバヨが延長契約を結ぶ資格を手にする。さらに、ゴラン・ドラギッチ、ジェイ・クラウダー、デリック・ジョーンズJr.、マイヤーズ・レナード、ユドニス・ハズレム、ソロモン・ヒルが制限なしフリーエージェント(FA)となり、ケリー・オリニクは来季の契約がプレーヤーオプション(PO)のため、これを破棄すれば制限なしFAとなる。
「バムは決断をしていくことになるが、我々は彼と共にいる。それに我々はこのチームのために自己犠牲をしてくれた選手たちがいることも分かっている。特にゴランだね」とライリーは語っているため、両選手とは最優先で交渉を進めていくことだろう。
来季終了後、ヒートはヤニス・アデトクンボ(バックス)やビクター・オラディポ(ペイサーズ)、あるいはカワイ・レナードとポール・ジョージ(共にロサンゼルス・クリッパーズ/POを破棄した場合)といった超大物FAの獲得を狙っていると報じられている中、ライリーは「私はこのチームの戦力を保持する必要があると思っている」とコメント。
そのため、ライリーは現有戦力に近いロースターで来季に挑むことを見据えていると言えるだろう。その中で、チームのサラリー総額を大幅に上げることなく、短期間あるいは提示する年俸を調整しながら交渉する可能性もありそうだ。
また、ヒートは今季ドラフト外で活躍した新人ナン、2年目にブレイクしたロビンソン、ルーキーながら堂々たるプレーを見せたヒーローのように、リーグを驚かせるような選手を来季も引き連れてくるかもしれないだけに、今後の動向にも注目していきたい。