NBAの2019-20シーズンは、新型コロナウイルスの感染拡大を防止すべく、今年3月中旬に前代未聞の中断。そこから約4か月後の7月末からフロリダ州オーランドでシーズンが再開となった。
各チームが65試合前後を消化したものの、“バブル”と呼ばれる開催地で行なわれた第二幕に参戦したのは30チームのうち22チーム。シーズン中断時点でプレーオフ出場圏内の各カンファレンスの8位チームから6.0ゲーム以内の勝率を残すチームのみがシーディングゲーム(順位決定戦)を戦うことに。
そして今季の新たなシステムとして採用されたのが、プレーイン・トーナメントだった。これはイースタン・カンファレンス、ウェスタン・カンファレンスそれぞれの8位チームと9位チームがシーディングゲーム終了時点で4.0ゲーム差以内だった場合、この2チームがプレーオフ出場をかけて直接対決を行なうというもの。
イーストでは8位のオーランド・マジック(33勝40敗)に対し、9位のワシントン・ウィザーズ(25勝47敗)がシーディングゲームで1勝7敗と大きく負け越してしまい、7.5ゲーム開いたことで行なわれず。
一方のウェストでは6チームが8位の座をかけてシーディングゲームに臨み、ポートランド・トレイルブレイザーズ(35勝39敗)が8位、メンフィス・グリズリーズ(34勝39敗)が0.5ゲーム差で9位となったことで史上初のプレーイン・トーナメントが実現。
ブレイザーズが1勝、グリズリーズが2連勝すればプレーオフ出場となる中、8月16日(現地時間15日、日付は以下同)に行なわれた第1戦でブレイザーズが126-122でグリズリーズを下してプレーオフ出場を決めた。
もっとも、今季はシーズン中断があり、約4か月間が経過してからバブルという特殊な環境の中で行なわれていたため、9位チームにプレーオフ出場のチャンスを与える形でプレーイン・トーナメントが実施されたと言っていいだろう。
だが『The Athletic』のシャムズ・シャラニア記者によると、NBA側は来季以降もこのフォーマットを継続したい意向だという。
10月24日に行なわれた理事会で、NBA側は来季について、レギュラーシーズンを72試合とし、インディアナポリスで開催予定だったオールスターならびにオールスターブレイクを中止、シーズン中盤に2週間の休養期間を選手たちに与え、東京オリンピックが開幕する来年7月23日までに終了させる案を伝え、現在はNBA選手会(NBPA)との交渉に向けて動いている。
通常の82試合よりも10試合少なくして行なわれることが濃厚な来シーズン。プレーイン・トーナメントを採用することで、プレーオフ出場チームの枠が9に増えるわけではない。それでも、プレーオフという大舞台でプレーするチャンスをつかむべく、一発勝負を繰り広げることで、リーグは盛り上がるのではないだろうか。