2020.08.18
7年連続でプレーオフへと進出すべく、シーディングゲーム(順位決定戦)に臨んだポートランド・トレイルブレイザーズは、3勝1敗で迎えた8月9日(現地時間8日、日付は以下同)のロサンゼルス・クリッパーズ戦終盤にデイミアン・リラードがフリースロー(FT)を2本ともミスして117-122と惜敗。
そこでリラードのギアがまた一段上がった。翌10日に行われたフィラデルフィア・セブンティシクサーズ戦で51得点7アシスト、12日のダラス・マーベリックス戦ではキャリアハイに並ぶ61得点に8アシストの大爆発。
これにより、ブレイザーズは2連勝しただけでなく、リラードは今季3度目の60得点超え。ウィルト・チェンバレン(元フィラデルフィア・ウォリアーズほか)に次ぐNBA史上2人目となる1シーズンで3度の60得点ゲームを達成した選手となった。
そして勝てばプレーインゲームズ出場、負ければプレーオフレースから脱落という状況で迎えた14日のブルックリン・ネッツ戦でもリラードは大活躍。3ポイント成功率57.1パーセント(8/14)を含む42得点12アシスト(いずれもゲームハイ)に2スティールと荒稼ぎし、ブレイザーズを134-133の勝利へと導いたのである。
「俺はただ、受け身になりすぎないようにしたかった。ボールを運び、できるだけその機会を得たいと思い、大騒ぎしてやろうとしたのさ」。
試合後にそう話したリラードは、自慢のディープスリーやレイアップ、フローターなどを駆使して得点を量産しただけでなく、第4クォーター残り約4分からカーメロ・アンソニーの3ポイント、ユスフ・ヌルキッチのレイアップ、ギャリー・トレントJr.の3ポイントをアシストし、2点リードで迎えた残り1分12秒にはキャリス・ラバートからスティールし、ダイブしてボールを奪うと、CJ・マッカラムの決勝弾となったジャンパーへとつなげる献身的な姿勢も光った。
シーディングゲーム最後の3試合でリラードが挙げたのは計154得点に27アシスト。平均51.3得点9.0アシストという超人的なパフォーマンスを残しており、フィールドゴール成功率56パーセント、3ポイント成功率49パーセント、フリースロー成功率95パーセントと、ショット全般における精度も申し分ないものだった。
『StatMuse』によると、残り5分で5点差以内というクラッチシチュエーションにおいて、シーディングゲームではリラードが計36得点(リーグトップ)に5本の3ポイント成功(リーグ最多タイ)を残したほか、L3椎体横突起骨折を負ったままプレーを続行するマッカラムが3ポイント100パーセント(4/4)にフィールドゴール成功率77.8パーセント、カーメロがリーグ最多タイとなる5本の3ポイントを沈め、成功率55.6パーセントという高確率を残している。
この3試合で驚異的なスコアリングショーを見せたリラードだが、テリー・ストッツHC(ヘッドコーチ)は「我々にはその得点すべてが必要だったのさ」と笑みを浮かべた。というのも、ネッツ戦を1点差で制しただけでなく、ほかの2試合はいずれも3点差の僅差であり、リラードの得点力が勝利には不可欠だったということだ。
リラード率いるブレイザーズは、16日にグリズリーズとのプレーオフ出場権をかけたプレーインゲームズに挑む。16日にブレイザーズが勝利すればプレーオフ進出決定、仮に敗れても、翌17日に勝利できればブレイザーズのプレーオフ進出が決まる。
ネッツ戦終了後、リラードは勝利した喜びをずっと噛みしめるのではなく、アイスバスに入ってプレーインゲームズに向けて身体の準備を進めていた。そして「俺はメンタル面ならいつだって準備できてる。何も心配なんてしてない」と発しており、このままプレーインゲームズでも大暴れしてくれそうだ。
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