復活が待望されるワシントン・ウィザーズのジョン・ウォール。昨シーズンはケガに悩まされ、不遇な1年を過ごしたが、相棒のブラッドリー・ビールが成長した今、ディフェンス面が改善されれば、2020-21シーズンは3年ぶりのプレーオフ進出は現実的なものとなるだろう。
NBAでも指折りのスピードスターは、勝利に貪欲で、己の実力に絶対的な自信を持ち、ストイックな性格で知られている。ただ、競争心溢れるあまり、ウォールは少し堅気な一面があり、人と馴れ合うことをあまり好まないのかもしれない。
ウォールは、元チームメートのギルバート・アリーナスがホストを務めるPodcastチャンネル『No Chill with Gilbert Arenas』に出演。その最中、同選手は現代のNBA選手たちがチーム問わずに慣れ親しみ、仲良くしていることについて、否定的な意見を述べた。
「最近は多くの選手がフレンドリーすぎる。(以前は)そんなことはなく、お互いを引きずり下ろそうとしていた」
「でも、今の奴らはまるで親友のようだ。俺に友達は1人もいないね」
ウォールの言うとおり、90年代や2000年初頭まで、NBAの選手たちの関係性はもっとドライだったように思える。マイケル・ジョーダンのドキュメンタリー番組『マイケル・ジョーダン:ラストダンス』でも、チームメートはあくまで仕事仲間と感じる描写も少なくなく、歴代ベストデュオであるジョーダンとスコッティ・ピペンでさえ、その間柄は親友とは程遠い。
一方、レブロン・ジェームズやクリス・ポール、カーメロ・アンソニーらはどうだろうか。先輩たちが作り上げた古いしきたりを撤廃し、風通しがよく、オープンな環境を作った。彼ら自身もプライベートで時間を共にするほどの友好関係を築き、彼らより下の年代でもチームの垣根を超えて関係を築いている選手は少なくない。
あくまで推測だが、ウォールとビールの不仲説は、こういったウォールのスタンスが火種になっているのかもしれない。人との距離感は、人それぞれ。しかし、アンストッパブルなバックコートを有し、我らが八村塁も所属する球団だけに、ロッカールームには良いムードが充満するといいのだが……。
文=Meiji