アデトクンボとのスーパーマックス契約を締結すべく、勝負に出たバックス
11月17日。ミルウォーキー・バックスが大型補強を断行したと『ESPN』が報じた。
レギュラーシーズンでは2シーズン連続でリーグベストの戦績を残しながら、プレーオフではイースタン・カンファレンスを勝ち上がれずにいたバックスは、フランチャイズプレーヤーのヤニス・アデトクンボが今季終了後(2021年夏)に制限なしフリーエージェント(FA)となる。
バックスにとって、12月23日(現地時間22日、日付は以下同)の開幕前日となる22日は、そのアデトクンボとスーパーマックス契約を締結できるデッドライン。もしその日までにリーグを代表するスーパースターの1人となった規格外の万能戦士が延長契約にサインしなかった場合、来夏に再び交渉することができるとはいえ、他チームとのし烈な獲得競争に巻き込まれることになる。
そこでバックスはエリック・ブレッドソー、ジョージ・ヒル、将来のドラフト1巡目指名権3本、ドラフト指名権の交換権2本を放出し、ニューオーリンズ・ペリカンズからドリュー・ホリデーを獲得。
さらにはドンテ・ディヴィンチェンゾ、アーサン・イリヤソワ、DJ・ウィルソンをサクラメント・キングスへトレードし、今年制限付きFAのボグダン・ボグダノビッチ(とジャスティン・ジェームズ)もロースターへ加えることに成功した。
30歳のホリデーは一昨季まで2年連続でオールディフェンシブチームに選出された実力者。昨季落選したことで、デイミアン・リラード(ポートランド・トレイルブレイザーズ)がJJ・レディック(ペリカンズ)のポッドキャスト番組「The Old Man & The Three」に出演した際に「リーグのベストディフェンダーだ」と評しており、ディフェンス力に定評がある。
また、ここ3シーズンは連続して平均19.0得点4.5リバウンド6.0アシスト1.5スティール以上を記録しており、攻防兼備のベテランガードとして頼りになる存在。
国際大会ではセルビア代表の主軸を務めるボグダノビッチは、昨季キングスで平均15.1得点3.4リバウンド3.4アシストを残したシューティングガード。自慢のシュート力に加え、プレーメイクも可能な28歳は、バックスでスターターを務めることが期待される新戦力。
クリス・ポール(現フェニックス・サンズ)やラッセル・ウェストブルック(ヒューストン・ロケッツ)といったスーパースターこそ加えることができなかったものの、この日合意へと持ち込んだ2つのトレードによって、バックスはアデトクンボと延長契約を結ぶための“覚悟”を見せたと言っていいだろう。
もし12月22日の“Xデー”までに延長契約を結べなくとも、アデトクンボは今季もバックスでプレーするだけに、今季は最低でもNBAファイナル進出、そしてゴールはもちろんチャンピオンシップ獲得となる。