12月10日(現地時間9日、日付は以下同)。ミルウォーキー・バックスのスーパースター、ヤニス・アデトクンボがキャリア8年目を前に現状について口を開いた。
昨季まで2シーズン連続でリーグベストの戦績を残すも、プレーオフでイースタン・カンファレンスを勝ち上がることができずにいたバックスは、オフシーズンに戦力増強に着手。
トレードでドリュー・ホリデー、フリーエージェント(FA)でDJ・オーガスティン、ボビー・ポーティス、トーリー・クレッグ、ブリン・フォーブズといった選手を獲得。
エリック・ブレッドソー(現ニューオーリンズ・ペリカンズ)、ジョージ・ヒル(現オクラホマシティ・サンダー)、ウェスリー・マシューズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)、ロビン・ロペス(現ワシントン・ウィザーズ)など退団した選手も複数いたものの、全体的に見れば戦力アップに成功したと言えるだろう。
「俺たちが獲得した選手たちは皆、このチームを助けることができる。特にホリデーを加えたことは大きいね。彼はすばらしいリーダーであり、最高の人間でもある。ディフェンスでき、スコアリングもできるからね。彼はこのチームが必要としていた鋭さを持ち込んでくれるだろうね」。
アデトクンボもフロントの仕事ぶりを称賛。昨日はトレーニングキャンプの中でホリデーと激しいマッチアップをしている映像が流れ、リーグ屈指のディフェンス力を誇るホリデーがアデトクンボ相手に一歩も引かずにガードしている姿が印象的だった。
Training camp battles. ⚔️ pic.twitter.com/Irgr27IhFy
— Milwaukee Bucks (@Bucks) December 9, 2020
とはいえ、バックスの選手たちやコーチ陣、フロント、ファンがいま最も心配しているのはアデトクンボの延長契約だろう。12月6日に26歳の誕生日を迎えたアデトクンボは、22日までに5年2億2800万ドル(約237億1200万円)というスーパーマックス契約を結ぶ資格がある。
もしその超巨額契約を締結しなければ、今季終了後(2021年夏)に制限なしFAとなるため、複数チームによるし烈な獲得競争が本格的にスタートする。
だがアデトクンボは「俺はそこにフォーカスしていない」と切り出し、「俺のエージェントとジョン・ホルスト(ゼネラルマネージャー)、バックスのオーナーシップがそのことについて話し合っているのは知ってる。でも俺は自分自身のことにフォーカスしようとしている。どうすればもっと向上できるのか、どうしたらチームメートたちを助けることができるのか、どうやってプレシーズン初戦に向けて準備していくのか、といったことをね」と口にしていた。
2013年のドラフト1巡目15位でバックスから指名されたフォワードは、年々進化を続けていき、昨季は2年連続のシーズンMVPに加えて最優秀守備選手賞をダブル受賞。史上3人目の快挙を達成した。
「俺は勝利することが大好きだ。でも最終的に、俺はハードワークをしていなければ、試合に勝っていなければ、毎年向上していなければ、このメンタリティが備わっていなければ、今の状況に置かれることはなかったということ」。
アデトクンボはこれまでのキャリアをそう振り返り、「だから俺は、自分を変えることはできない。このメンタリティは変えられないんだ。俺は毎日、進歩していくことにフォーカスし続ける」と続けた。
スーパーマックス契約にサインするかどうかについては明言を避けたものの、バックスの大黒柱は「当然、誰もがチャンピオンシップを勝ち取りたい。でも俺以上にチャンピオンシップを手にしたがっている選手はいない。そのためには成長し続けないといけないんだ」と話しており、今季に集中していることを強調しているかのような言葉を残していた。
現状では、22日の“Xデー”までにアデトクンボがサインする可能性は五分五分。今季終了後にもしこの男が移籍するとなれば、リーグの勢力図が変わる可能性も十分あるだけに、今後の動向に注目していきたい。