2020年のレイカーズの優勝を振り返るシャック
昨シーズン、球団として10年ぶりの優勝を果たしたロサンゼルス・レイカーズ。シーズン中は主力選手の相次ぐ故障、コービー・ブライアント(元レイカーズ)の急逝、異例となるオーランド・バブルでのシーズン第二幕など、苦難を重ねた1年であった。しかしそれらをチームが一致団結して乗り越えて、見事にチャンピオンシップに輝いたことは世界中のファンに感動をもたらしたことだろう。
このドラマティックな優勝に、かつてレイカーズでコービーと3連覇を達成した偉大なビッグマン、シャキール・オニール(以下シャック)が『ESPN』のインタビューで言及。「2020年を思い返せば、我々にとってチャンピオンシップに輝いたことは優れた幕引きだった」と、昨季を振り返り、相棒だったコービーに関しても、「もし彼が今もここにいてくれたら、間違いなく彼らを誇りに思っていただろうし、ソーシャルメディアに愛情と精神的な支えを示していただろう」とコメントしている。
レイカーズをけん引するレブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスはデュオ結成1年目にして優勝を果たし、オフシーズンはそれぞれ契約延長と再契約を締結。今後は長期的に複数回の優勝が期待されるが、チームのOBであるシャックは、「我々(シャック&コービー)のような次世代のデュオはもう二度と出現しない」と言葉を挟みつつ、「私たちにとっては、彼らが自分たちに追いつこうとする必要はないと思っている」とつづる。
「コービーと私もマジック(ジョンソン)やカリーム(アブドゥル・ジャバー)に追いつこうとはしなかった。コービーと私のレガシーは、これからも唯一無二のものであり続ける」と続けるシャック。17回の優勝を誇るレイカーズの華々しい歴史のなかでも、1960年代後半から70年代初頭のジェリー・ウェストとウィルト・チェンバレン、1980年代のマジックとジャバー、2000年代初頭のシャックとコービーなど、偉大なデュオがそれぞれの時代で優勝を経験してきた。しかしシャックとしては、先輩の背中を追うのではなく、あくまでも自分たちの偉大さを確立していくことが大切であると考えているようだ。
「レブロンとデイビスが次世代の私とコービーになることは望んでいない。これからも我々のような存在は出現しないのだから。マジックとカリームは決して我々のようにはなれないし、我々もマジックとカリームのようにはなれない。そして私とコービーもレブロンとデイビスのようにはなれない」
今回、レイカーズの偉大な選手の1人として現チームについて言及したシャック。現役を退いた今でも球団のこと思っている様子で、加入1年目でキャリア初の優勝を遂げたデイビスの今後の成長に期待しつつ、「私は貪欲だから、たった1度の優勝だけでなく、2つ、3つ、4つと可能性があるなら彼には狙ってほしい」と語っている。新たな王朝を築くチャンスに恵まれたレイカーズを、今後もシャックは陰ながら見守っていることだろう。