「あのビッグ3について話す時、皆はいつもあの2人の名前を出し、クリス・ボッシュは最後に出てくる。でも…」
3月10日(現地時間9日、日付は以下同)に『ESPN』の番組「The Jump」で発表された今年のバスケットボール殿堂入りの最終候補に、ポール・ピアース(元ボストン・セルティックスほか)やマイケル・クーパー(元ロサンゼルス・レイカーズ)、ベン・ウォーレス(元デトロイト・ピストンズほか)らと共に、クリス・ボッシュ(元トロント・ラプターズほか)も名を連ねた。
マイアミ・ヒート在籍時、2年連続で血栓の症状に苦しんだことで、ボッシュは2015-16シーズンを最後にNBAのコートから去っていた。だがラプターズとヒートで計11度のオールスター選出、オールNBAチーム選出1度に加え、ヒートでレブロン・ジェームズ(現レイカーズ)、ドウェイン・ウェイド(元ヒートほか)と共に“ビッグ3”を形成し、2度の優勝を経験。
だが昨年の殿堂入り候補に初ノミネートされたものの、コービー・ブライアント(元レイカーズ)、ティム・ダンカン(元サンアントニオ・スパーズ)、ケビン・ガーネット(元ミネソタ・ティンバーウルブズほか)らがいたこともあり、ボッシュは最終候補に残ることができず。
「俺は嘘を言うつもりはない。今年殿堂入りすることができないことにがっかりしているんだ。俺にはその資格があると思っている」。
昨年、最終候補から漏れたことで、自身のインスタグラムでそう嘆いていたボッシュ。だが今年は「この気持ちは言葉では言い表せないね。自分のキャリアを通じて助けてくれた人たちにものすごく感謝している。バスケットボールは自分に全てを与えてくれた。本当にありがたいこと」と投稿していた。
コメント欄には現役時代に何度も対戦してきたショーン・マリオン(元フェニックス・サンズほか)が「おめでとう」と言えば、レジェンドのドミニク・ウィルキンズ(元アトランタ・ホークスほか)も「君は殿堂入りに十分値する」とリアクションを見せていた。
今年の殿堂入りメンバーが発表されるのは5月17日。それまではボッシュが殿堂入りするかどうかは確定ではないなか、ヒート時代のチームメート、ユドニス・ハズレムは『AP』のティム・レイノルズ記者へこう語っている。
「あのビッグ3について話す時、皆はいつもあの2人(レブロンとウェイド)の名前を出し、クリス・ボッシュは最後に出てくる。でも私は、きっとあの2人がこう言うと思う。『クリス・ボッシュは俺たちのパズルにおいて、最も重要なピースだったんだ』とね」。
ラプターズでファーストオプションを務めていたボッシュはヒートでサードオプションとなり、スモールボールではセンター役もこなし、献身的な働きでヒートの4年連続ファイナル進出を後押し。13年のファイナル第6戦では、第4クォーター終盤にオフェンシブ・リバウンドをもぎ取り、レイ・アレン(元シアトル・スーパーソニックスほか)のシリーズを長引かせる劇的3ポイントをアシスト。
ヒートは2勝3敗でスパーズに王手をかけられていたため、その試合に敗れていれば2連覇の夢が絶たれていただけに、ボッシュが見せたリバウンドとアシストは、まさに起死回生の好プレーだった。
もしボッシュが殿堂入りとなれば、ヒートで背番号1が永久欠番になったことに続いて、大きな快挙となるに違いない。