殿堂入りしたケビン・ガーネット「私はハードに、情熱を持ってプレーしてきました」

殿堂入り式典にて。ガーネット(中央)とトーマス(左)[写真]=Getty Images

「ダンカンとの対決は自分をさらに高いレベルへと引き上げてくれました」

 5月16日(現地時間15日、日付は以下同)。モヒガン・サン・アリーナ(コネチカット州アンカスビル)で行なわれた、2020年のバスケットボール殿堂入り式典で、”ビッグチケット”ことケビン・ガーネット(元ミネソタ・ティンバーウルブズほか)が殿堂入りを果たした。

 1995年のドラフト1巡目全体5位でウルブズから指名されたガーネットは、高卒選手ながらルーキーシーズンから平均10.4得点6.3リバウンド1.6ブロックをマーク。即戦力としてインパクトを残し、後に続いたコービー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)、トレイシー・マグレディ(元オーランド・マジックほか)といった90年代後半の高卒選手たちのパイオニアとなったレジェンドである。

「私はハードにプレーしてきました。情熱を持ってゲームをプレーしてきました」という言葉が示すように、ガーネットはあふれんばかりの闘争心をむき出しに、攻防両面でエネルギッシュなプレーでコート上を縦横無尽に暴れ回った。

 ウルブズ在籍時の03-04シーズンにはキャリアハイの平均24.2得点13.9リバウンドに5.0アシスト1.5スティール2.2ブロックと大車輪の働きでウルブズをウェスタン・カンファレンス首位の58勝24敗へと導き、シーズンMVPを獲得。

 07-08シーズンからボストン・セルティックスへ移籍すると、ディフェンシブアンカー兼リーダーとして絶大な貢献を見せ、08年にキャリア唯一となる優勝を経験。4度のリバウンド王獲得に加え、211センチ108キロの鋭利な刃物のように絞られた身体と高い身体能力を武器に、NBAで計21シーズンを戦い抜いた。

 この日同じく殿堂入りを果たしたティム・ダンカン(元サンアントニオ・スパーズ)は、ガーネットにとって現役時代の好敵手の1人。「私たちの対決は最高以外の何物でもありませんでした。毎回、私は楽しみにしていました。彼との対決は自分をさらに高いレベルへと引き上げてくれました。そうさせてくれたのは、あなたとラシード・ウォーレス(元デトロイト・ピストンズほか)だけです」と最大級の賛辞を送っている。

 15日に行なわれた式典前日の会見で、ガーネットは6シーズン在籍して2度のファイナル進出を飾り、背番号5番が永久欠番になることが発表されているセルティックス時代についてこう振り返っている。

「誰だってNBA入りしたら勝ちたいですし、負けるのはその一部であってほしいものです。ボストンのように歴史あるフランチャイズに加わったことで、私は光を浴び、新たな目的を与えられました。あの街は何か特別なことを成し遂げること、これまでとは何か違うことが起こることを待ち望んでいました。ボストンのファンベースはすばらしく、ホームアリーナで声援を送るばかりか、(アリーナの)外でも熱心に声援を送り、私たちへエナジーをもたらしてくれます。ボストンのファンのレベルは別格でした。私が唯一後悔していることと言えば、もう少し早くボストンに行くべきだったことでしょう」。

 ビッグマンのサイズを持ちながら、俊敏なガードのような動きでコート上を席巻したガーネットは、筋骨隆々の肉体を持つビッグマンたちがペイントエリアで肉弾戦を繰り広げていた90年代中盤にNBA入りして成長を続け、リーグトップレベルのスーパースターへと変貌を遂げたことで、殿堂入りという選手として最高級とも言える栄誉を授かった。

 今でもセルティックスに影響を及ぼすエネルギッシュなビッグマンは、殿堂入りに十二分に値するキャリアを送ってきた。これから先、ガーネットがどのような人生を歩んでいくのか、今後の活躍にも注目していきたい。

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