2020.03.27
2003年のドラフトでクリーブランド・キャバリアーズから全体1位指名されて鳴り物入りで入団したレブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)は、昨季までのキャリア16シーズンで3度の優勝とファイナルMVPに輝いたほか、4度のシーズンMVPや16度のオールスター選出、15度のオールNBAチーム選出、6度のオールディフェンシブチーム選出と、その功績は枚挙にいとまがない。
“キャブズ第一期”と呼ばれるキャリア最初の7シーズンで、レブロンは07年にフランチャイズ史上初のNBAファイナルへと導き、09、10年には2年連続でシーズンMVPを獲得するも、ファイナルを前にチームは敗れた。
そこで10年夏にフリーエージェント(FA)としてマイアミ・ヒートへ移籍し、ドラフト同期のドウェイン・ウェイド(元ヒートほか)、クリス・ボッシュ(元トロント・ラプターズほか)と共に“スリーキングス”を形成。意気揚々と覇権争いに参戦した。
10-11シーズン。レギュラーシーズンをイースタン・カンファレンス2位(58勝24敗)で終えたヒートは、プレーオフ1回戦でフィラデルフィア・セブンティシクサーズ、イースト準決勝でボストン・セルティックス、イースト決勝でシカゴ・ブルズをそれぞれ4勝1敗で下してファイナルへ進出したものの、ダラス・マーベリックスの前に2勝4敗で敗退。
翌11-12シーズンは、ロックアウトにより66試合の短縮シーズンとなったのだが、ヒートはイースト2位の46勝20敗を残し、レブロンは平均27.1得点7.9リバウンド6.2アシスト1.9スティールをマークして自身3度目のMVPを獲得。
プレーオフに入っても、1回戦でニューヨーク・ニックスを4勝1敗、イースト準決勝ではインディアナ・ペイサーズを4勝2敗でそれぞれ下し、NBAファイナル進出をかけてセルティックスとのシリーズに臨んだ。
ヒートはホームで行われた最初の2戦に勝利するという好発進を見せたものの、ラジョン・ロンド(現レイカーズ)、ケビン・ガーネット(元ミネソタ・ティンバーウルブズほか)、ポール・ピアース(元セルティックスほか)らの粘りに遭い、第3戦から3連敗で崖っぷちに。
3月20日(現地時間19日、日付は以下同)にインスタライブを行ったレブロンは、ファンからの質問で当時をこう振り返っていた。
「俺の考えは、もし俺たちがここで負けてしまえば、パット・ライリー(ヒート球団社長)はこのチームを解体するかもしれない、というものだった。そして俺はそうはさせたくなかった。もし解体となれば、バスケットボール史上最も短命に終わったトリオになるかもしれなかったからだ。単にこのトリオが終わるだけでなく、俺のレガシーとしても大きなダメージを受けることになっていただろう」。
敵地TDガーデンで迎えた第6戦。レブロンは前半だけで14投中12本のショットを成功させる集中砲火で30得点をたたき出すなど大暴れ。試合全体でも45得点に15リバウンド5アシストという超絶パフォーマンスでセルティックスを圧倒。
翌第7戦でもレブロンは31得点12リバウンドをマークし、ヒートを2連勝へと導いたことで、頂上決戦へと進出。オクラホマシティ・サンダーとのシリーズを4勝1敗で制し、自身初のNBAチャンピオンとなったレブロンとヒートは、翌13年にもファイナルでサンアントニオ・スパーズを第7戦の末に下して2連覇を成し遂げた。
「俺はフォーカスするしかなかった。そして集中してチームを勝利へと導かなければいけなかったんだ。(もし負けていたら)どうなっていたかは分からない。だが当時の俺はそういうマインドセットだったんだ」とレブロンは45分間に渡ったインスタライブで明かした。
セルティックスとのシリーズ第6戦は、レブロンが初のチャンピオンシップを獲得するために訪れた最大の試練だったと言っていいだろう。
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