「自分にプレッシャーをかけていた」ジャ・モラントがPOにおけるチーム史上最多得点

第2戦でキャリアハイの47得点を奪ったモラント[写真]=Getty Images

「ずっとアグレッシブにいかなきゃと思っていた。(劣勢の)チームをゲームへと引き戻すべく、自分自身にプレッシャーをかけていたんだ」

 5月27日(現地時間26日、日付は以下同)。ユタ・ジャズとメンフィス・グリズリーズによるプレーオフ ファーストラウンド第2戦が行なわれ、ホームのジャズが141-129で制し、シリーズ戦績を1勝1敗のタイとした。

 ジャズはこの試合でエースのドノバン・ミッチェルが右足首捻挫から約1か月半ぶりに戦列復帰。25分39秒のプレータイムながら25得点と上々のパフォーマンスで勝利に貢献。

 久々の出場となったミッチェルは「これまで経験したことのないものだった。だから未知の感覚だった。自分自身をリラックスさせるようにしなきゃならなかった。コートに出て、ホームで試合を始めてからホームランを打つことは簡単だ。でも最初の5分で試合の勝敗が決まるわけじゃないからね」と復帰戦を振り返った。

 ジャズではミッチェルのほか、ルディ・ゴベアが21得点13リバウンド3アシスト4ブロック、マイク・コンリーが20得点15アシスト、ボーヤン・ボグダノビッチが18得点、ロイス・オニールが14得点8リバウンドと、先発全員が2ケタ得点。さらにベンチからはジョーダン・クラークソンが16得点6リバウンド、ジョー・イングルズが14得点と続いた。

 シリーズ2連勝を狙ったグリズリーズだが、相手のエース復帰もあって勝利こそ手が届かなかったものの、昨季の新人王ジャ・モラントが歴史的な大暴れ。21歳と289日の司令塔は、ピック&ロールからのドライブで守備陣を切り裂いてフローターやレイアップ、巧みなボールフェイクでマッチアップ相手を欺いてショットを成功させるなど絶好調。

 

 また、アリウープをリバースダンクでフィニッシュし、ドライブから豪快なボースハンドダンクをたたき込むなどチームを鼓舞。この日モラントはフィールドゴール57.7パーセント(15/26)、フリースロー75.0パーセント(15/20)を含む47得点に4リバウンド7アシストでチームをけん引。

「僕はずっとアグレッシブにいかなきゃと思っていた。(劣勢の)チームをゲームへと引き戻すべく、自分自身にプレッシャーをかけていたんだ。僕は自分のスポットへ行けて、ショットを決めることができた」。

 試合後にそう振り返ったモラントは、今季開幕戦で記録した44得点を超えるキャリアハイの得点を奪取。プレーオフで47得点はフランチャイズ史上最多記録であり、22歳未満の選手としてもレブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ/45得点)を上回るNBA歴代最多得点。

 さらに第1戦の26得点と合わせた73得点は、プレーオフ最初の2試合であげた総得点としてNBA史上最多と、2試合で数々の記録を塗り替えた。

「僕らは負けたんだ。そう、(勝利するには)足りなかったのは明らかだ」と肩を落としたモラントだが、対戦相手のミッチェルは「正直な話、別に驚くようなことじゃない」と切り出し、21歳の若武者についてこう語っていた。

「彼はゲームを愛する男であり、コートへ出て競い合っていた。最初からアグレッシブだったよ。あの若さでここまでのことができるんだから、間違いなくスペシャルな男さ。彼のこと、それに彼のゲームを僕はリスペクトする。彼は決して途中で試合を投げ出したりしない」。

 両チームによるシリーズ第3戦は30日。会場をメンフィスへ移すことで、グリズリーズが再びジャズを下すことができるのか、注目していきたいところだ。

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