HC復帰を見据えるレイカーズのジェイソン・キッドAC「新たな機会を手にしたい」

ネッツとバックスで指揮を執った経験を持つキッドAC[写真]=Getty Images

ボーゲルHCの下で2年目のキッドAC「辛抱強くコミュニケーションをとることが、選手たちのことを理解するカギになっているんだ」

 5月28日(現地時間27日、日付は以下同)。ロサンゼルス・レイカーズは2013年以来初となるホームのステイプルズ・センターでフェニックス・サンズとのプレーオフ ファーストラウンド第3戦に臨み、109-95で勝利を収めた。

 この試合ではアンソニー・デイビスがゲームハイの34得点に11リバウンド、レブロン・ジェームズが21得点6リバウンド9アシスト、デニス・シュルーダーが20得点をマークし、昨季覇者はシリーズ戦績を2勝1敗とした。

 そんななか、昨季からレイカーズでアシスタントコーチ(AC)を務めるジェイソン・キッド(元ダラス・マーベリックスほか)のインタビューが『THE UNDEFEATED』へ掲載され、キッドが今抱いている思いを口にしていた。

 キッドは自分自身に対して「落ち着け、チームの成長を楽しむんだ。選手たちそれぞれの成長をな」と言い聞かせているという。

 現役時代、19シーズンをプレーしてきた生粋のリーダー兼司令塔は、引退後にはヘッドコーチ(HC)としてブルックリン・ネッツで1シーズン、ミルウォーキー・バックスで約4シーズンを指揮してきた。

 昨季レイカーズで優勝を経験したことで、2011年のマブスに続き、自身2度目のチャンピオンリングを手にしたキッドは、これまでとの違いについてこう話している。

「ミルウォーキーとブルックリンを指揮していた時と最も大きな違いと言えるのは、自分がメッセージを伝える方法だと思う。それは厳しすぎず、乱暴すぎることもない。ちょっとばかり楽しいものだということ。競争者として、もし負けてしまったら『チームが勝利する助けをするために自分には何ができるんだ? 彼らはそれを聞いてくれるのか、ということ。彼は勝ちたがっている。じゃあどこに楽しみがあるというんだ? じゃあそれを楽しみつつ作り上げていこう』となったんだ。私は選手として、そしてコーチとしてもチャンピオンシップを勝ち取った。ただ、カルチャーを構築しようとする環境が違ってくるんだ」。

 コーチとしても優勝を経験したことで、キッドは新たなチャレンジを求めていると言えるだろう。ヘッドコーチとしてのオファーが届くかどうかについて「私が近い位置にいるといいね」と答えており、こう続けている。

「私は新たな機会を手にしたい。フランク(ボーゲルHC)と共にいることで、彼の強みというのは理解しているし、彼がどれだけ異なる状況の中で対処しているかを見てきた。それは私がここで学んだことの中でも大きなカギとなっている。辛抱強くコミュニケーションをとることが、選手たちのことを理解するカギになっているんだ。それはトッププレーヤーたちだけでなく、ベンチにいる選手たちともね」。

 今季のレギュラーシーズンが終了してから約10日間が経過。例年であれば成績低迷あるいはフロントや選手たちとの確執などを理由に指揮官を解雇するチームが出てきてもおかしくないのだが、今季は指揮官交代という情報は流れてこない。

 とはいえ、キッドのようにNBAチームでHC経験のあるACは貴重であり、新たな指揮官を招へいして飛躍を狙うチームにとって十分魅力的な人材だ。現在は2連覇を目指してプレーオフを戦っているため、目の前の相手にフォーカスすべきなのだが、今後キッドの去就には再び注目が集まることだろう。

 
モバイルバージョンを終了