2021.05.16
5月11日(現地時間10日、日付は以下同)に行なわれたアトランタ・ホークス戦で、ワシントン・ウィザーズのラッセル・ウェストブルックが通算182回目のトリプルダブル(28得点13リバウンド21アシスト)をマークし、レギュラーシーズンにおけるNBA史上最多のトリプルダブル数を樹立。
ウィザーズはホークスの前に124-125で惜敗したものの、ウェストブルックは今季36回目のトリプルダブルをクリアし、2位のニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ/15回)を大きく引き離し、チームの快進撃を支えている。
キャリア13年目、32歳のウェストブルックは得点・リバウンド・アシストと3拍子そろったポイントガードで、オクラホマシティ・サンダー在籍時の2016-17シーズンには1シーズンにおける歴代最多のトリプルダブル数(42回)をマーク。
バッドショットを連発し、ターンオーバーを量産することで批判を浴びることもあるが、ウェストブルックは19年に11試合連続でトリプルダブル、ここ5シーズンで4度目となるシーズン平均トリプルダブル、30得点超えのトリプルダブルを47回、20リバウンド超えが3回、20アシスト超えが5回、さらには20リバウンド20アシスト超えのトリプルダブルを2回も達成しており、驚異的なスタッツを残してきた。
「俺は恵まれている。これまで努力を惜しまず取り組んできて、いろんなことを犠牲にしてきた。オスカー、マジック、ジェイソン・キッドなどと比較されるだけでも光栄だ」。
試合後にそう語ったウェストブルックは、これまでのキャリアでキッド(元ダラス・マーベリックスほか/107回)、アービン“マジック”ジョンソン(元ロサンゼルス・レイカーズ/138回)、そしてオスカー・ロバートソン(元シンシナティ・ロイヤルズほか/181回)という歴代屈指のポイントガードたちの快記録を突破し、とうとうNBAに新たな歴史を作ったのである。
「そのことについては考えてない。俺はただコートへ出て、楽しみながらバスケットをするだけ。最終的に、自分の旅が終わったら、バスケットボールをプレーするのを終えた時、いくつかクレイジーなスタッツについて考えることになるだろう。良いことに悪いこと、酷いことについて感謝するんだろう。俺はそれら全てのことをありがたく思うさ」とウェストブルックは言う。
ウェストブルックのキャリアはこれからも続いていくのだが、今でさえも驚異的なのは誰もが認めるところ。アレン・アイバーソン(元フィラデルフィア・セブンティシクサーズほか)が「歴史を作ったところをこの目で見たぜ! おめでとう、ラス。誰も破れないと思われた記録を塗り替えたんだ。君は十分それに値する」とツイートし、ハッシュタグで「#VideoGameNumbers」と補足。ウェストブルックはファンやメディアだけでなく、レジェンドや現役選手たちから見ても、まるでビデオゲームをプレーしているかのようなスタッツを残している。
とはいえ、ウィザーズとウェストブルックのシーズンはこれからが正念場。32勝37敗としたウィザーズは、残り3試合で可能な限り勝利を手にし、プレーイン・トーナメントへ参戦して3年ぶりのプレーオフ進出を飾りたいところだ。
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