「彼がいると感じていた」。友人マーク・イートンのために勝利を目指して戦ったゴベア

グリズリーズ相手に4本のブロックをお見舞いしたゴベア[写真]=Getty Images

「俺は彼がいるんだと感じていた。だから今夜コートに出なきゃいけないと思っていた。そしてこのチームが勝利する手助けをするんだという気持ちでいたんだ」。

 ユタ・ジャズのルディ・ゴベアは、5月30日(現地時間29日、日付は以下同)に行なわれたメンフィス・グリズリーズとのプレーオフ ファーストラウンド第3戦終了後にそう話し、15得点14リバウンド4ブロックの活躍で121-111の勝利に貢献。

 ゴベアが話していた彼とは、この日逝去してしまったジャズのレジェンドセンター、マーク・イートンのこと。ゴベアにとっては良き友人かつメンター(助言者)で、親交のある人物だっただけに、そのニュースを知った時のつらさは痛いほど想像できる。

 ジャズのフランチャイズ史上、最優秀守備選手賞に輝いたことがあるのはイートンとゴベアのみ。いずれも2度も獲得した実績を持ち、イートンは1980年代から90年代序盤にかけて活躍。ゴベアは現在のジャズで守護神を務めており、今季も同賞のファイナリストに選ばれている。イートンはゴベアの成長にも尽力してきた恩人だっただけに、この日の勝利は格別だったことだろう。

 

  

 もっとも。試合は決してジャズが圧勝した展開ではなかった。グリズリーズが最終クォーターも追い上げてくる中、ドノバン・ミッチェルが10得点の集中砲火でチームを勝利へと引き寄せたゲームとも言える内容だった。

 シリーズ戦績を2勝1敗としたジャズではゴベアのほか、ミッチェルが29得点5アシスト、マイク・コンリーが27得点6リバウンド8アシスト、ボーヤン・ボグダノビッチが15得点6リバウンド、ロイス・オニールが12得点7リバウンド、シックスマンのジョーダン・クラークソンが15得点をマーク。

 一方、グリズリーズではジャ・モラントが28得点7アシスト、ディロン・ブルックスが27得点、グレイソン・アレンが17得点、カイル・アンダーソンが11得点13リバウンド5アシスト2スティール、ヨナス・バランチュナスが10得点13リバウンド5アシスト。

 グリズリーズに12シーズン在籍し、2019年夏に退団したコンリーは、同年にドラフト指名されて入団したモラントとプレーオフで対決することについてこう話している。

「ジャのような男と対戦するのは最高だ。ものすごい才能を秘めているのが見てとれるし、リーグでも若きスーパースターで、僕がかつて着ていたジャージーを身に付けている。彼はこれまで僕が受けていた声援を(ファンから)浴びている。なんだか不思議な感じさ。まさかこんなことが起こるなんて、思いもしなかったよ」。

 リーグベストの戦績を残したジャズを相手にもひるまずに果敢に向かってくるグリズリーズ。そのチームを引っ張るモラントのプレーぶりは、コンリーにとっても印象的なようだ。

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