フェニックス・サンズとデンバー・ナゲッツによるウェスタン・カンファレンス・セミファイナルは、第3戦を終えてサンズが3戦負けなしとし、カンファレンス・ファイナル進出に向けて王手をかけている。
今季のシーズンMVP、ニコラ・ヨキッチ擁するナゲッツは、第2戦で17秒、第3戦では24秒しかリードできず、サンズがこのシリーズで主導権を握っていることは間違いない。
サンズは3戦を終えてスターター全員が平均2ケタ得点を残しており、チーム全体でフィールドゴール51.5パーセント、3ポイント43.9パーセントという高確率を残しており、平均120.3得点とオフェンスが好調。
デビン・ブッカーがシリーズ平均22.3得点6.7リバウンド4.7アシストにフィールドゴール51.0パーセントという好数字を残しているのだが、ベテランのクリス・ポールも別格の存在感を放っており、同21.7得点5.7リバウンド11.3アシスト1.3スティールにフィールドゴール57.5パーセント、3ポイント75.0パーセント、フリースロー100.0パーセントとショットの精度も申し分ない。
第2戦では30分31秒のプレータイムで17得点15アシストにターンオーバーゼロをマーク。抜群の安定感でチームをけん引した司令塔は「皆がオープンになっていた。そしたら僕の仕事は簡単さ。自分がやるべきことは彼らを見つけることだからね。あとは彼らがショットを決めていくだけ。コーチングスタッフに感謝しなきゃいけないね。僕らはシーズンを通じてドリルに取り組んできたんだから。特にプレーオフに入ってから、こういうシーンを見れるのはいいことさ」と、さも当然のように振る舞っていた。
対するナゲッツのモンテ・モリスは‟ポイント・ゴッド”についてこう話す。
「僕らは彼に対してもっとプレーを難しくさせないといけない。彼は(将来の)殿堂入りポイントガードで、NBAでプレーするトップ5の司令塔だ。彼は周囲の選手たち全員を絡めてしまう。CP(ポールの愛称)をカバーするのは皆にとってタフだけど、自分たちのゲームプランに従って、できる限りベストな方法でそれを遂行していかなきゃいけない」。
だがポールは第4クォーターになって進化を発揮しており、このシリーズにおける第4クォーターでフィールドゴール92.3パーセント(12/13)、3ポイント100.0パーセント(4/4)の計30得点に8アシスト、0ターンオーバーと驚異的な成績を残している。
14日の第4戦に向けて、後がないナゲッツはシリーズを引き延ばそうと、必勝態勢で臨むことが容易に想像できる。だがブッカーは昨季覇者ロサンゼルス・レイカーズをファーストラウンドで下したことで自信を増している。
「僕らはすでに(クローズアウトゲームを)経験している。相手がギブアップすることはないということは分かっているよ。あのチームにはMVP(ヨキッチ)がいて、マイク・マローンによって鍛え上げられたチームだし、ものすごくハードにプレーする選手たちもいる。それに誰だってシーズンを終わらせたくないはずだ。だからこそ、僕らは彼らとの戦いに備えていくだけ」。
崖っぷちのナゲッツに対して、シリーズを決着すべく第4戦に臨むサンズ。両チームによる戦いの行方に注目していきたい。