37得点の大暴れでジャズを下したポール・ジョージ「カワイが戻ってくるまで…」

ジョージの大活躍でクリッパーズがウェスト決勝進出に王手をかけた[写真]=Getty Images

「シーズンはまだ続いている。彼がこれまでやってきた全てのことを背負っているからね。だから彼が戻ってくるまでこの船を浮かばせ続けなきゃいけない」

 6月17日(現地時間16日、日付は以下同)。ユタ・ジャズとのウェスタン・カンファレンス・セミファイナル第5戦を前に、ロサンゼルス・クリッパーズに衝撃が走った。

 シリーズ平均27.3得点7.5リバウンド4.0アシスト1.8スティールを残していたカワイ・レナードが前試合で右膝を捻ってしまったことで欠場。無期限の離脱になる可能性があることも報じられたのである。

 今季リーグベストの戦績でレギュラーシーズンを終えた難敵ジャズを相手に、クリッパーズは2連敗スタートからホームで2連勝し、2勝2敗の五分に引き戻したものの、エースを欠くという窮地に陥った。

 レナード不在のクリッパーズでゴー・トゥ・ガイとなるべき男、それは誰もがポール・ジョージと答えるだろう。「隠すつもりはない。今夜俺は大活躍しなきゃならないし、次戦以降もそうでなきゃならないことは分かっていた」と語ったジョージは、前半だけで22得点8リバウンドをもぎ取ると、後半でも15得点8リバウンド4アシスト2ブロックと獅子奮迅の活躍を見せ、119-111でクリッパーズに大きな勝利をもたらした。

 

「(カワイの離脱を知って)タフだった。でも最終的に、俺たちはベストなカワイこそ必要なんだ。これはポジティブに言えば、彼が少し休めるということ。俺たちがこのまま押し上げられればいいね」とジョージが語っていた。

 クリッパーズではマーカス・モリスが25得点、レジー・ジャクソンが22得点、テレンス・マンルディ・ゴベア相手に強烈なダンクを決めるなど13得点、ニコラ・バトゥームが9得点7リバウンド4スティールとジョージ(37得点16リバウンド5アシスト2ブロック)を援護射撃。

 ジャクソンは「ポールは信じられない活躍だった。本当にスペシャルな男だ」と口にし、タロン・ルーHC(ヘッドコーチ)は「多大なリスペクトをしなきゃならないね」と主役に躍り出た男の活躍を称えていた。

 そんなジョージは、キャリア最初の7シーズンを過ごし、途中からエースを務めていたインディアナ・ペイサーズ時代を思い返していたという。

「俺はインディアナで、フランチャイズを引っ張るという役割を担ってきた。ここでは世界でもベストな男の1人、カワイと一緒にプレーすることができている。でも今、カワイが離脱してしまったんだ。だからインディ時代のマインドセットで臨み、このチームへ雰囲気を作り出して引っ張っていこうとしたんだ」。

 今から約7年前。ジョージはペイサーズのエースとして2年連続でイースタン・カンファレンス・ファイナルへ勝ち上がり、レブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)擁するマイアミ・ヒートとNBAファイナル進出をかけて競い合ってきた。

「俺はその時のマインドセットで試合に入ったんだ。俺には今さら証明しなきゃいけないことなんてなかった。だから自分に驚いたりはしなかった。皆が俺をリーダー役にしてくれたし、背中を押し続けてくれた。俺を最高のメンタルの状態にしてくれたんだ」とコメント。

 この勝利でクリッパーズは3勝2敗とし、フランチャイズ史上初のカンファレンス・ファイナル進出に王手。19日にホームで行なわれる第6戦に勝利すれば、フェニックス・サンズの待つウェスト決勝へと進むことができる。

「俺たちのシーズンはまだ続いている。彼がこれまでやってきた全てのことを背負っているからね。だから一丸となっていかなきゃいけないし、彼が戻ってくるまでこの船を浮かばせ続けなきゃいけないんだ」。

 相棒レナードの思いを受け止め、チームを引っ張るジョージ。あとがなくなったジャズが第6戦でリベンジすべく、次戦では出だしから攻め立ててくることが予想できるだけに、クリッパーズが返り討ちすることができるか、必見の一戦となりそうだ。

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