2021.06.22
「今からほんの数年前、彼らは僕のことを見限ったんだ。僕にはもうできないとね」。
ヒューストン・ロケッツに2シーズン所属し、一昨季終了後、クリス・ポールはオクラホマシティ・サンダーへ放出された。当時34歳だったポイント・ゴッドはケガに苦しんだこともありロケッツに在籍した2シーズンでいずれも58試合の出場にとどまっていた。
だが昨季は若手ぞろいのサンダーをけん引し、予想外のプレーオフ進出。今季はフェニックス・サンズをリーグ2位となる51勝21敗へと導き、11年ぶりのプレーオフへと押し上げ、6月14日(現地時間13日、日付は以下同)に行なわれたデンバー・ナゲッツとのウェスタン・カンファレンス・セミファイナル第4戦を制してみせた。
36歳の大ベテランとなった司令塔は、この試合でゲームハイの37得点に7アシスト2スティールと大活躍。2018年以来、自身2度目のカンファレンス・ファイナル進出を果たした。
昨季マイアミ・ヒートの主力としてイースタン・カンファレンスを勝ち上がり、NBAファイナルをプレーしたジェイ・クラウダーは、今季開幕前にフリーエージェントとしてサンズへ加入。3ポイントとディフェンスに秀でた‟3&D”として活躍するベテランは「今このチームはユニットとしてものすごくまとまっている。このチームには最高のリーダーシップがあり、すばらしいコーチングがあったからこそここまで上りつめることができたんだ」とチームの充実ぶりに目を細める。
ロースターにはデビン・ブッカーやディアンドレ・エイトン、ミケル・ブリッジズといった魅力的な若手がそろっているものの、ポールのリーダーシップと抜群のゲームコントロールがサンズを優勝候補へと押し上げたと言っていい。
これまでのキャリアでオールスター選出11度、オールNBAチーム選出9度、オールディフェンシブチーム選出9度を誇る大ベテランは、将来の殿堂入りも濃厚なレジェンド。だがポールは自らの境遇について『HoopsHype』へこう語る。
「僕は天才というわけじゃなかった。むしろこの場にいるべき男でもなかった。2年間、Bチームでプレーしていたことだってある。いつも楽しいものではなかった。常に努力しなきゃならなかったんだ。でもそのメンタリティを気に入っている。これまでもそうだったし、これから先も僕はそういう男でありたいんだ」。
サンズが1993年以来となるNBAファイナル進出をかけて戦う相手は、ユタ・ジャズとロサンゼルス・クリッパーズによるシリーズの勝者。第3戦を終えてジャズが2勝1敗とリードしているとはいえ、次のラウンドまで時間があることから、ポールとサンズの選手たちには束の間の休息をとって疲労した身体の回復にあててほしいところだ。
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