NBAファイナルへたどり着いたクリス・ポール「うれしかったし、このチームを誇りに思う」

見事ウェストを勝ち抜いたサンズ[写真]=Getty Images

「王者(レイカーズ)を打ち負かしたことで、このチームの士気は間違いなく上がったし、自信も増した」とクラウダー

「僕はずっと考えていた。自分たちがやるべきことをすれば、最後には笑えるんだとね。だから最後までやり抜いて相手を倒すことができた。それを実行できたんだ」。

 フェニックス・サンズの大ベテラン、クリス・ポールは7月1日(現地時間6月30日、日付は以下同)に行なわれたウェスタン・カンファレンス・ファイナル第6戦でプレーオフキャリアハイタイとなる41得点に4リバウンド8アシスト3スティールを積み上げ、130-103の勝利へと導いた。

 サンズではポールのほかにデビン・ブッカーが22得点7リバウンド4アシスト、ジェイ・クラウダーが19得点5リバウンド、ディアンドレ・エイトンが16得点17リバウンド2ブロック、ミケル・ブリッジズが9得点4アシスト、キャメロン・ペインが7得点7アシストをマーク。

 だがこの日のポールはフィールドゴール66.7パーセント(16/24)、3ポイント87.5パーセント(7/8)と脅威の集中力を見せ、ターンオーバーもゼロと司令塔として申し分ないパフォーマンスを見せ、キャリア16年目にして初のNBAファイナル進出。

 モンティ・ウィリアムズHC(ヘッドコーチ)は「今夜の試合を迎えるにあたって、彼のパフォーマンスには疑問があった。でもまさかこうなるとは思わなかったよ。それがクリスという男なんだ。彼は疲れていた。それでも彼はバスケットへと向かい、スリーを決めて、全てを統括するといったプレーを決めてくれたんだ」と大ベテランを称えた。

 ポールはロサンゼルス・レイカーズとのファーストラウンドで肩を痛め、カンファレンス・セミファイナルでデンバー・ナゲッツを4戦負けなしで突破後に新型コロナウイルスの安全衛生プロトコル入りして離脱するなど、ここまで険しい道のりだった。

「嬉しかったし、このチームを誇りに思う。僕はほんの1週間前にCOVID(新型コロナ)を経験してきたんだ。(隔離されていた時は)家にいて、チームメートたちと一緒に過ごすこともできなかったんだ。だから(ファイナル進出は)決して自分だけじゃなく、ロッカールームにいる皆のお陰なんだ」とポール。

 サンズは今年のプレーオフを12勝4敗で勝ち上がり、1993年以来、実に28年ぶりのNBAファイナル進出を果たした。今季からポールとプレーするブッカーは‟ポイント・ゴッド”との最初の思い出についてこう話す。

「彼はきっと、僕らと初めて対戦した時に好きになるだろうとは思っていた。でも僕はそうじゃない。むしろすぐさま追い返したいくらいだった。それは彼のような恐ろしい闘争心を持つ選手とは対戦したくないということであって、自分のチームにいる彼のことは大好きさ、という意味なんだ」。

 サンズはプレーオフを迎えるにあたり、ブッカーやエイトン、ブリッジズ、キャメロン・ジョンソンといった若手選手たちが初出場。プレーオフ経験があるのはポールやクラウダー、ダリオ・シャリッチといった少数だった。

 昨季マイアミ・ヒートのスターターとしてファイナルを経験したクラウダーはプレーオフについて「王者(レイカーズ)を打ち負かしたことで、このチームの士気は間違いなく上がったし、自信も増した。若い選手たちは昨シーズンの王者というすばらしいチームを下したことを理解し、自信を深めたんだ」と明かす。

 もちろん、サンズの旅路はまだ終わっていない。「僕らにはまだやらなきゃいけないことがある。(ファイナル進出は)うれしいことだけど、僕らはラリー(オブライエン・トロフィー/優勝トロフィー)を取りに行く」とブッカーが語ったように、創設53シーズン目にして初のNBAチャンピオンとなるべく、サンズは頂上決戦に向けて万全の準備をしていくこととなる。

モバイルバージョンを終了