7月9日(現地時間8日、日付は以下同)に行なわれたNBAファイナル第2戦は、初戦に続いてフェニックス・サンズが118-108でミルウォーキー・バックスを下し、シリーズ2連勝を飾った。
バックスは序盤、ヤニス・アデトクンボやドリュー・ホリデーの積極果敢なアタックで先手を取るも、ホームのサンズはジェイ・クラウダー、ミケル・ブリッジズの長距離砲で応酬。エースのデビン・ブッカーは序盤こそショットを落とすも、トランジションスリーを皮切りにスコアラーとして攻め立てた。
その後もブッカーは要所で3ポイントやジャンパーを量産し、終わってみればチームトップの31得点に5リバウンド6アシストをマーク。初戦はフィールドゴール38.1パーセント(8/21)、3ポイント12.5パーセント(1/8)に終わったものの、この試合ではフィールドゴール48.0パーセント(12/25)、3ポイント58.3パーセント(7/12)と高確率に放り込んでみせた。
出だしの不振から見事脱却したブッカーは「ちょっとスローダウンしただけ。試合の序盤は興奮していて、シューティングがちょっとばかし長かったし、急いで打ってしまった。だから基本に立ち返ったのさ」と振り返る。
🔥 @DevinBook in Game 2:
31 PTS
7 3PM@Suns go up 2-0 in the #NBAFinals presented by YouTube TV.. Game 3 is Sunday at 8 PM ET on ABC. #ThatsGame pic.twitter.com/E6BV9f6Nr8— NBA (@NBA) July 9, 2021
NBAキャリア6シーズン目の今季、初のプレーオフながら一気にファイナルまで駆け上がった24歳のエーススコアラーは、大舞台に立つと緊張よりも興奮が上回ってしまう強心臓の持ち主。
「バカ正直に話すと、プレーオフ全体で得た経験が、(緊張を)ほぐしてくれるのに役立っていると思う。レギュラーシーズンでいろんな状況を見てきたし、チームとしてゲームの詳細をつめてきた。つまり僕らはこの瞬間に備えてきたんだ。もちろん、ミルウォーキーは僕らに対してタフなプレーを仕向けているし、タフなプレーをしいられている。けど僕らはチームとしてすでにこういうプレーを何度も見てきたんだ」。
まだ若いとはいえ、ブッカーはファイナルという頂上決戦でも無尽蔵のスタミナがあることを見せている。第1戦で41分53秒、第2戦でも44分5秒もプレーしており、疲れ知らずなタフさがあることも見逃せない。
「何よりも準備だね。自分の身体をしっかりとケアすること。そのためのリストが長いんだ。でも僕とミケルは若いから、アドレナリンが出ているんだと思う。次から次へと、やってやろうって気持ちになるのさ。だから本当に、疲れは感じないんだ」とブッカー。
ファイナルという選手としてこれ以上ない大舞台でプレーするうえで、ブッカーはメンター(助言者)であるコービー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)やチームメートのクリス・ポール、あるいはその他のベテラン選手たちから健康面に関するものを取り入れている。『ESPN』とのインタビューでは「『仕事をやり遂げるんだ』。コービーなら僕にそう言ってくれたと思う」と話しており、メンターたちの影響についてこう話す。
「全てだね。僕は自分のメンターたち全員から少しずつ取り入れている。食事制限やストレングストレーニング、身体のケアとか兼ねた準備もね。レギュラーシーズン中もずっとやってきたし、試合に勝った次の日の練習でもやってきた。自分たちの身体を良い状態にすること。なにもそれは自分だけじゃなく、チームの皆もやっているんだ」。
サンズはブッカーにポール、ブリッジズ、ディアンドレ・エイトン、クラウダーという不動の先発陣に加え、ベンチから登場するキャメロン・ペインやキャメロン・ジョンソン、トーリー・クレッグもいい働きを見せており、ファイナルで最高のスタートを切った。
シリーズは12日からバックスのホームで行なわれることとなるのだが、サンズはフランチャイズ史上初の優勝を成し遂げることができるのか。今後の展開からも目が離せない。