2021.07.16
「彼が準備できていることは分かっていた。彼はこの瞬間のために、人生をかけて備えてきたんだ。で、コート上でそれを見せつけたということ」(ミケル・ブリッジズ)
「僕らはね、彼のショットが毎回入ると思っているんだ」(デビン・ブッカー)
7月7日(現地時間6日、日付は以下同)に幕を開けたフェニックス・サンズとミルウォーキー・バックスによるNBAファイナル第1戦は、ホームのサンズが主導権を握り、リードを広げればバックスが追い上げる展開が続き、最終スコア118-105で勝利。
ブリッジズとブッカーが語った‟彼”とは、キャリア16年目で初の頂上決戦に臨んだクリス・ポールのこと。サンズは第1クォーターこそブッカー中心に点を重ねたものの、ポールは第2クォーターで得意のミドルレンジジャンパーを決め始めると、第3クォーターに大爆発。
スイッチから相手センターのブルック・ロペスを引きずり出し、プルアップジャンパーや3ポイントをねじ込むと、コーナースリーや中央突破のレイアップ、プルアップスリーにフェイダウェイジャンパーを放り込み、このクォーターだけで一挙16得点をマーク。
第3クォーター残り10分17秒。左エルボーから3ポイントを決めるも、ロペスの足の上に左足が乗っかってしまい、足首を捻ったことで周囲をヒヤヒヤさせたが、その後もコートに残って高確率なショットの雨を降らせた。
この試合で最大20点リードを奪ったサンズでは、ポールがゲームハイの32得点に4リバウンド9アシスト、ブッカーが27得点6アシスト3スティール、ディアンドレ・エイトンが22得点19リバウンド、ブリッジズが14得点、ベンチスタートのキャメロン・ペインとキャメロン・ジョンソンが共に10得点をマーク。
殊勲の活躍を見せたポールは、ファイナルデビュー戦で1991年のマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)以来初となる30得点8アシスト以上をクリア。また、ファイナル初戦で計54得点に絡んだことで、2001年のアレン・アイバーソン(元フィラデルフィア・セブンティシクサーズほか/計61得点)、91年のジョーダン(計60得点)に次ぐ歴代3位の快記録も達成した。
ポールは「僕らはこういう瞬間のために、長いシーズンをかけてチームを構築してきた。これからもプレーし続けていく。これは(シリーズの中の)1試合に過ぎない。だから僕らは引き続き集中していかなきゃいけない」と気を引き締めていた。
9日の第2戦に向けて、控えビッグマンのダリオ・シャリッチが右膝の痛みのため途中退場したことが気がかりではあるものの、フランチャイズ史上初優勝を狙うサンズとしては、最高のスタートを切ったと言っていいだろう。
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