7月25日に行なわれた東京オリンピックのグループリーグ初戦。アメリカ代表のデイミアン・リラード(ポートランド・トレイルブレイザーズ)は、フランス代表戦で最初の3ポイントこそエアボールに終わったものの、すぐさま修正し、2本目の試投でリングに沈めてみせた。
続く第2クォーターで、リーグ屈指のスコアリングガードは2本連続で長距離砲をヒット。そのうち1本はルディ・ゴベア(ユタ・ジャズ)越しのディープスリーと、持ち前のシュート力を発揮。
だがそれ以降にこの男が決めたフィールドゴールはゼロ。試合全体でフィールドゴール30.0パーセント(3/10)の計11得点に3リバウンド3アシストを残すもターンオーバーを4本も喫してしまい、チームも76-83で黒星を喫してしまった。
「いくつかの瞬間で、正しいことをするために難しくしすぎてしまった。俺たちはNBAでもベストプレーヤーたちがここにいる。でもショットが入らなかった。特に勝負どころで(逆転できる)機会があったのに、それらを決め切れなかったんだ」。
試合後にそう語ったリラードに加え、この日はケビン・デュラント(ブルックリン・ネッツ)がファウルトラブルに陥ってしまい、第3クォーター中盤に4つ目(5つで退場)でベンチへ下がるなどリズムに乗り切れず。
終盤に追い上げを見せたものの、トップ・オブ・ザ・キーからデュラント、左コーナーからドリュー・ホリデー(ミルウォーキー・バックス)が放った長距離砲はいずれもリングをくぐり抜けることはなかった。
リラードは勝負どころで右ウイングからコーナーへパスをさばくもフランスの前に読まれてスティールされるなど重要な場面でターンオーバー。‟デイム・タイム”と呼ばれるスコアリングショーはまだ披露できていない。
タレント豊富なアメリカが敗れたことについて、リラードはこう語る。
「俺たちはフランスを称えるべき。彼らもすごくいいチームだ。ルディ・ゴベアは(NBAの)オールスターだし、エバン・フォーニエはNBAでも本当に有能な選手。あのチームにはNBAチームでローテーション入りしてプレーする選手が何人もいる。そして相手は俺たちよりもいいゲームをしていたということ。ショットを決めていたし、ディフレクションもしていた。それに俺はショットを打つべき時にパスしてしまった。あとは勝負どころで自分たちの思うようにいかなかったことがいくつかあった。このチームは良くなっていける部分がたくさんある。ショットを決め切ることも含めてね」。
大事な初戦を落としたことで、リラードはチームとして「ちょっとイライラしている。誰だって初戦で負けたくはないからね。特に一時は10点をリードしていたんだ。9点リードしていたこともあった。どこかリラックスしてしまっていたのかもしれない」と悔やんでいた。
そして、アメリカ代表が初戦で黒星を喫したことについて聞かれるとこう切り返していた。
「アメリカ代表でプレーするのだから、(勝利して当然という)期待はあると思う。このチームには支配してきた歴史がある。それにいつもじゃないけど相手をブローアウトしてきたし、何よりも勝利してきた歴史があるんだ。アメリカ代表が負けるなんて、特に初戦を落とすなんて滅多に見られないはずだ。だから大勢の人たちがまるで世界の終わりかのように見えてしまうんだと思う。だけど、俺たちはプロフェッショナルとして、今回のオリンピックに国の代表として来ている。俺たちは必要とされることをしなきゃいけないし、ここで目指していることを成し遂げるができる。そのことを心に留めておかなきゃならない」。
今後、アメリカ代表は28日にイラン代表、31日にチェコ共和国とグループリーグを戦うこととなる。決勝トーナメントへ進み、大会4連覇を果たすためには1敗も許されない状況の中、このチームがここからどう巻き返していくのか。今後の戦いぶりは必見だ。