2022.09.01
7月25日にスタートした東京オリンピック 男子バスケットボールの予選リーグ。グループAではアメリカ代表とフランス代表という、メダル獲得候補が早速激突した。オリンピック3連覇中で25連勝中のアメリカに対し、フランスは2019年のFIBAワールドカップの準々決勝でアメリカを撃破した強豪と、注目の一戦となったことは間違いない。
試合は序盤こそショットがなかなか決まらない展開となるも、アメリカがオールスイッチのディフェンスから速い展開へと持ち込み、フランスから主導権を握って進めていき、前半を終えて45-37とする。
だがフランスは後半に入ってルディ・ゴベア(216センチ/ユタ・ジャズ)とヴィンセント・プアイェイ(213センチ)を同時起用。どちらかがベンチへ下がればムスタファ・フォール(218センチ)をコートへ送り出し、ミスマッチからペイントエリアを攻め立ててファウルを誘発。仮にどちらかが3ポイントエリアへ引っ張り出されても、もう1人のビッグマンがリムプロテクターとして君臨し、高さ不足のアメリカを苦しめていき、点差を徐々に縮めていった。
第3クォーター終盤に逆転を許したアメリカは、最終クォーターで何とかリードを奪い返したものの、ニコラ・バトゥーム(ロサンゼルス・クリッパーズ)の左コーナースリー、エバン・フォーニエ(ボストン・セルティックス)の左コーナーからのロングレンジジャンパーが立て続けに決まるなどフランスが猛追。
そして残り約1分。ガーション・ヤブセレがルーズボールダイブし、そのボールを手にしたフォーニエが右ウイングから3ポイントを鮮やかに沈めたことが決定打となり、最終スコア83-76でフランスが勝利を収めた。
「僕がこのチームを引っ張っていかなきゃいけなかった。彼らのことを良く知っているからね。すばらしい勝利だ。この国はこのことをものすごく誇りに思うだろう。でもこれはただの1試合に過ぎない。正直なところね」。
試合後にそう語ったフォーニエは、ゲームハイの28得点と殊勲の活躍。さらにゴベアが14得点9リバウンド、ナンド・デ・コロが13得点5リバウンド5アシストをマーク。
フランスのヴァンサン・コレHC(ヘッドコーチ)はエースのフォーニエを「エバンはすばらしかった。私は何度もビッグ、ビッグ、ビッグと言いたくないんだが、彼はいくつか非常に大きなショットを決めてくれた」と称賛。
両チームによる一戦は、あくまで予選リーグのため、このまま決勝トーナメントへ進出した場合、再びどこかでリマッチすることになるかもしれない。もっとも、フォーニエは「彼らは個々では優れているけど、チームとしてなら倒せるのさ」と自信をのぞかせていた。
フランスが掲げる目標は金メダル。ゴベアは「この勝利は大きいね」と語るも、続けて「でも自分たちが望んでいる首回りにかけるものを手に入れるまでは関係ないね」と言い放ってみせた。
今後、28日にアメリカはイラン、フランスはチェコ共和国と対戦する。
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