8月5日に行なわれたオーストラリア代表との準決勝。アメリカ代表はケビン・デュラント(ブルックリン・ネッツ)が先制ジャンパーを沈めるも、オーストラリアはジョー・イングルズ(ユタ・ジャズ)が2本連続で長距離砲を沈め、タフなディフェンスで徐々に点差を広げていく。
アメリカは3ポイントがなかなか決まらず、ペイントエリアではオートラリアのカバーディフェンスに遭い、スコアが伸びない展開となり、第2クォーター残り5分23秒には15点ビハインド(26-41)を背負うことに。
「15点負けていても、俺たちはプレーする準備ができていた。落ち着きを保ったんだ。そして俺たちなら相手を止めて走れば、ゲームを速い展開に持ち込んで巻き返せると分かっていた。オーストラリアには感謝しないといけないね。彼らは俺たちへ強烈な一撃を見舞ってきたのだから。でも俺たちはそこから挽回してリードを手にしたんだ」。
デュラントが試合後にそう語ったように、アメリカはディフェンスで激しさを増し、コート狭しとダイブするハッスルプレーで球際の争いでも互角に渡り合い、点差を着実に縮めていく。
前半終盤にデビン・ブッカー(フェニックス・サンズ)が右コーナーから3ポイントをねじ込み、ジェイソン・テイタム(ボストン・セルティックス)も左ウイングから3ポイントを成功。デュラントのプルアップジャンパーも決まり、3点ビハインドまで縮めて試合を折り返す。
後半に入ると、ドリュー・ホリデー(ミルウォーキー・バックス)の4連続得点を皮切りに、デュラントの2連続ジャンパーにトップ・オブ・ザ・キー付近からプルアップスリーが立て続けに決まり、アメリカが一気に流れをつかみ、第3クォーターを32-10と圧倒。
その後もオーストラリアの反撃を許さず、アメリカは過去2年間でエキシビジョンゲームに2度敗れた相手をたたきのめし、最終スコア97-78で下して決勝進出。
デュラントはゲームハイの23得点に9リバウンド2アシスト2スティールと殊勲の活躍。そしてこの日はブッカーが20得点、ホリデーが11得点8リバウンド8アシスト、クリス・ミドルトン(バックス)も11得点2スティールと、NBAファイナル出場組が絶対的エースを見事に援護射撃してみせた。
7日に行なわれる大会4連覇をかけた決勝戦の相手はフランス。グループリーグ初戦で競り負けた相手だけに、アメリカとしては最高の舞台でリベンジできる機会を得たことになる。
特にデュラントは2012年のロンドン・オリンピック決勝(対スペイン)で30得点、16年のリオデジャネイロ・オリンピック決勝(対セルビア)でも30得点をマークしており、依然としてアメリカが金メダルを獲得するうえで最重要人物となる。
「今回はこれまでとはまた違う経験で、異なるチームメートたちなんだ。でもここまでの道のりは楽しいね。俺たちはこの機会を楽しみにしている。2004年(のアテネ大会)に負けてから、4大会連続というレアなケースだからね。俺たちにとってはタフな戦いだけど、またこうして戻ってくることができてうれしいね。どこが相手だろうと、俺たちは楽しみにしているし、(優勝して)フィニッシュしてみせるさ」。
決勝戦に向けてそう口にしたデュラントは、金メダルを首にかけるうえでカギとなるのは「ディフェンス面でゲームプランを遂行すること。オフェンス面については心配していない。でもディフェンス面でチームとしてゲームプランをしっかりと遂行することが重要になる。見ててくれよ」と話していた。
準々決勝のスペイン戦、準決勝のオーストラリア戦でも、アメリカは前半に背負った2ケタビハインドから巻き返して大差をつけてねじ伏せたのだが、この要因の1つとなっていたのが激しいディフェンスだった。
フランス相手にアメリカはリベンジできるのか、それともフランスが再び返り討ちにするのか。グループリーグ初戦も接戦となっていただけに、両チームによる決勝戦も白熱した展開となるに違いない。