8月5日。アメリカ代表との金メダルをかけた決勝戦への挑戦権をかけて行なわれたフランス代表とスロベニア代表による準決勝は、終盤まで手に汗握る展開となり、最後のポゼッションで1点を追うスロベニアはクレメン・プレペリッチがリング下で逆転をかけたレイアップを放った。
だがそのショットがリングに当たることはなく、1人の男の長い腕が弾き飛ばした。フランスのニコラ・バトゥーム(ロサンゼルス・クリッパーズ)がこの試合4本目のブロックを決めてフランス代表を90-89の勝利へと導き、決勝戦進出を果たしたのである。
32歳のフォワードがあの場面で思い描いていたこと、それは「あのプレーを決めないといけない」というものだった。プレペリッチがボールを放つ少し前に跳び上がり、絶妙なタイミングでボールを捕らえたバトゥームによる見事なクラッチプレーだった。
「僕はいつもこういう試合でプレーすることを夢見ていた。そしてこの僕がチームのためにこのプレーをやらなきゃいけないシーンをね。それを僕がやってのけたんだ」。
決勝ブロックについてバトゥーム自身がそう語ると、チームメートのルディ・ゴベア(ユタ・ジャズ)は「たぶん、僕の中でベストブロックの1つだ。40分間を必死に戦い抜き、あのブロックでオリンピックの試合に勝った。もう本当に最高だね。このためにプレーしている。この瞬間のために一生懸命やっていて、自分の時間、家族との時間を犠牲にしてまでここに来ているんだ」と称賛。
フランスはこの試合、ナンド・デ・コロ(フェネルバフチェ/トルコ)がゲームハイの25得点に7リバウンド5アシスト、エバン・フォーニエ(ニューヨーク・ニックスへ移籍に合意と報道)が23得点5リバウンド3アシスト、ティモティ・ルワウ・キャバロ(ブルックリン・ネッツ)が15得点5リバウンド2スティール。
そしてバトゥームは3得点のみに終わるも、5リバウンド3アシスト1スティールに4ブロック、ゴベアが9得点16リバウンド3アシスト4ブロックと殊勲の働き。7日に行なわれる決勝は、アメリカとフランスというグループA同士の対決となった。