9月28日、スペイン・テネリフェ島で開催されている「FIBA 女子バスケットボール ワールドカップ2018」は準々決勝の4試合が行われた。大会3連覇を狙うアメリカは序盤こそシュートが外れてペースをつかめなかったが、渡嘉敷来夢(JX-ENEOSサンフラワーズ)がWNBAでチームメイトだったブリアナ・スチュワートの活躍があり、ナイジェリアを71-40で退けた。アジア勢同士の対戦となった第2試合のオーストラリアと中国の一戦は、オーストラリアが序盤から中国を圧倒し83-42で勝利。そして第3試合、ヨーロッパ2位のフランスと対戦したのは、今大会の予選ラウンドで日本に敗れたベルギー。ベルギーは日本戦のあと、地元スペインを破って予選ラウンドを1位通過していた。
果たして準々決勝、ベルギーはエースのエマ・メッセマンが得点こそ重ねるものの、ファウルトラブルにも陥り、もうひとつリズムを掴めない。そんななかでガードのジュリー・アレマンドが見事なゲームコントロールでフランスのディフェンスを崩し、前半を53-31で折り返す。
後半に入るとフランスもフォワードのエンデン・ミヤム、ベンチスタートのロマナ・バーニーズのファストブレイクなどで得点差を10点に縮めたが、そこからさらにギアを引き上げたベルギー。シューターのキム・メスタウ、ベテランのアン・ウォーターズ、ジュリー・ヴァンルーらが得点を重ね、86-65でフランスを振り切った。ベルギーはワールドカップ初出場でベスト4進出となる。
第4試合も世界のレベルをまざまざと見せつけられるゲームとなった。
グループAを1位で勝ち上がったカナダと対戦するのは、地元スペイン。スペインは予選グループの初戦、日本とのゲームの前半こそ素晴らしいバスケットを展開したが、その後は徐々に失速。予選ラウンド2位での通過を余儀なくされ、準々決勝進出をかけたセネガルとの試合でももうひとつピリッとしなかった。その流れからか、準々決勝のカナダ戦も第3Qを終えた時点で3点のビハインドを背負ったゲーム展開。カナダの粘り強さに地元スペインがこのまま終わってしまうかさえと思われた第4クォーター、今年のユーロカップからA代表に選出されたクエラルト・カサスや、ポイントガードのクリスティーナ・オウビナ、センターのアストゥ・ンドゥールらがチームに勢いを与えるプレーを連発して一気に逆転。ディフェンスもカナダを3得点に抑え込んで、大逆転でベスト4進出を果たした。
むろんそのスペインの猛攻を支えたのは「エスパニョール!」コールを発し続けたファンの力もある。カナダにとっては最後の最後でアウェイの洗礼を受けた形となったわけである。
明日の5-8位決定戦はフランス対ナイジェリア、カナダ対中国、準決勝はベルギー対アメリカ、スペイン対オーストラリア。日本の属したグループCで、日本とともに2勝1敗だったベルギーとスペインがベスト4に残ったことを考えると日本にもチャンスがあったのではないか――むろん結果は結果として受け入れるべきだが、そう思わずにはいられない準々決勝だった。
文=三上太