ゴーグルのトレードマークと言えば、アマレ・スタウダマイアーが思い浮かぶ。NBAドラフト2002でフェニックス・サンズから1巡目9位指名を受けたSTAT(同選手の愛称)は、高卒ルーキーながらも同年の新人王を獲得。その後はニューヨーク・ニックスでも活躍し、NBAオールスターゲームにも通算6回出場している。
同選手は、マイアミ・ヒートでプレーした2015-16シーズンを最後に、一度は引退を表明。しかし、束の間の休息を終えると、イスラエルや中国を渡り歩き、国外で現役生活を続けていた。昨夏にはNBA復帰を目指し、複数球団のワークアウトに参加。ロサンゼルス・レイカーズやゴールデンステイト・ウォリアーズなどの強豪を含め、約12チームが視察に集まるほどの注目度であったが、結局リーグに復帰することはなかった。
37歳を迎えたレジェンドは今、どこで何をしているのだろうか。そんな疑問がふと湧いた矢先、「アマレ・スタウダマイアーがファイナルMVPを受賞」というニュースが舞い込んできた。
スタウダマイアーは現在、イスラエル・バスケットボール・スーパーリーグのマッカビ・テルアビブBCでプレーしている。
マッカビ・テルアビブは、1954年に創立した同リーグで通算54度の優勝を誇る超名門。さらに、レアル・マドリード(スペイン)やCSKAモスクワ(ロシア)が所属するユーロリーグでも6回の優勝(準優勝9回)を成し遂げており、ヨーロッパでは言わずと知れた超強豪球団である。
マッカビ・テルアビブは先日開催されたスーパーリーグのファイナルで、マッカビ・リション・レジオンを86-81で撃破。2017-18シーズンから3ピートを達成し、再びイスラエルに敵なしであることを証明した。
この試合、スタウダマイアーはチームトップの18得点を記録。類稀な身体能力とバスケットセンスは健在で、何度も豪快なダンクを叩き込み、インサイドを制圧した。
Amar'e Stoudemire just got himself a Finals MVP in Israel 🔥🔥
Stat can still play😤pic.twitter.com/gXBLGqfUko
— Hoop Central (@TheHoopCentral) July 30, 2020
プレーの躍動感を見る限り、NBA復帰も夢ではないように思える。しかし、同選手はイスラエルで充実した人生を送っているようだ。
Twitterのアカウント名は「@Amareisreal」となり、非営利芸能界団体「Creative Community for Peace」に対しては「このイスラエルの地で、自分らしくいられると感じている。追放されたと思う必要はない。なぜなら、僕は素晴らしい人生を送りたいからだ」とコメント。また、同国で「スタウダマイアー・ワインズ」というワインブランドを経営するなど、今後はイスラエルで余生を過ごす心持ちなのかもしれない。
第二の人生を見つけたスタウダマイアー。来季もオンコートでのプレーが楽しみだ。
文=Meiji