2020.08.30
アメリカ全土のNBAライターやメディア各社は、NBAアワードの選考に頭を悩ませてきた。投票期限は、去る7月28日(火)。すなわち、あとは開封を待つのみで、その答えは神のみぞ知るということになる。
日本人として気になるのはやはり、八村塁(ワシントン・ウィザーズ)のオールルーキー選出だろう。目の肥えたバスケ玄人たちの予想をはるかに上回る獅子奮迅の活躍は、確実に評価に値する。
所属のウィザーズは、同選手がいかにオールルーキー選出に値するかを可視化するべく、特設ページを開設。これを見れば一目で、彼がルーキーのなかでもいかに突出した存在かが分かるはずだ。
最初に言及すべきは、リバウンド。1試合平均6.0という数字は、ルーキー全体1位の数字で、フランチャイズ記録でも歴代3位という超がつくほどの好成績になる。また、1試合平均13.4得点はルーキー全体6位、15得点5リバウンド以上を記録したゲーム数はRJ・バレット(ニューヨーク・ニックス)に次ぐ全体2位。また、10得点以上、ショット成功率50%以上を20試合以上達成した選手は八村を含め6人しかおらず、シーズンを通して.475以上のショット成功率を達成した選手という括りでも7人のうちの1人となっている。
八村は、ゲームへの貢献度も非常に高い。同選手は今季、出場時間の得失点差を示す評価値で、+20を7試合も記録。ウィザーズで過去にこの数字を残したのは、現エースのブラッドリー・ビール(ウィザーズ)のみ。さらに、開幕戦ではルーキー全体で唯一のダブルダブル達成し、1試合40得点の圧巻のゲームも披露するなど、インパクトは十分だ。
以上の数値を踏まえれば、彼がいかにオールルーキーにふさわしいかが一目瞭然。しかし、アメリカでは「当落線上」という見解が強く、『NBC』は遅れてきた怪物ザイオン・ウィリアムソン(ニューオーリンズ・ペリカンズ)への評価が鍵になるとしている。
ガード陣は、ジャ・モラント(メンフィス・グリズリーズ)やコービー・ホワイト(シカゴ・ブルズ)、ケンドリック・ナン(マイアミ・ヒート)らが有力候補。一方のフロントコート勢は、ブランドン・クラーク(グリズリーズ)、PJ・ワシントン(シャーロット・ホーネッツ)、ジャクソン・ヘイズ(ペリカンズ)らにも票が集まる見込み。もちろん、八村やザイオン、バレット、さらにはエリック・パスカル(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)やディアンドレ・ハンター(アトランタ・ホークス)らも選出の可能性が大いにあり、著名ライターの間でも評価が分かれていることから、答えは蓋を開けてみないとわからないというのが正直なところである。
しかし、もし八村がオールルーキーから漏れても全く悲観することはない。八村の今季のスタッツは、1試合平均13.4得点、6リバウンド、フィールドゴール成功率47.8%と非常に優秀。これはジェイソン・テイタム(ボストン・セルティックス)の13.9得点、5.0リバウンド、47.5%や、デビン・ブッカー(フェニックス・サンズ)の13.8得点、2.5リバウンド、42.3%といった過去に1stチームに選出された選手と比較しても全く遜色のない数字だからだ。
今年のルーキーは、近年稀に見るほどの豊作だった。しかしながら、日本人としては快進撃を続ける「Rui Hachimura」の名前を、オールルーキーの発表時に聞きたいものである。
文=Meiji
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