ともに開幕から8試合すべてNBL出身チームとの対戦で、仙台89ERSは3勝5敗、秋田ノーザンハピネッツは2勝6敗。bjリーグ出身チームとの今季初対決で自信を取り戻したいのは、どちらも同じだろう。
志村雄彦に代わってスターターで起用されている石川海斗の奮闘は、仙台にとってプラス材料の一つ。得点源の地位を確立しつつあるディオン ライトとともに、仙台に新しい風を吹きこんでいる。
その石川とのマッチアップになる安藤誓哉は宮城の明成高で石川の2年後輩。新天地で一皮むけた姿を披露している両者は、アグレッシブにシュートを狙うスタイルも共通している。応援に駆けつけるであろうかつての仲間や恩師の前で、普段以上にハッスルするに違いない。攻撃的司令塔としてチームを勝利に導けるのはどちらになるか。
このカードの見どころはそれだけにとどまらない。同学年である間橋偉生、長谷川誠の両ヘッドコーチは現役時代のチームメート。また、秋田の高橋憲一がプロとしてのキャリアをスタートさせ、最も長く在籍したのが仙台だ。
今季のB1リーグで唯一となる“東北ダービー”。それぞれの意気込みや思い入れが交錯し、好ゲームになることは必至である。
文=吉川哲彦