若き指揮官が展開する“アグレッシブバスケットボール”、三遠の藤田HC「手応えを感じている」

1986年生まれの30歳。若き指揮官、藤田弘輝ヘッドコーチに率いられた三遠ネオフェニックスが魅力的なバスケットボールで躍動している。bjリーグアシスト王の鈴木達也、ペイント内を支える日本代表のビッグマン太田敦也田渡修人岡田慎吾などのシューターをそろえ、ここまでの11戦で8勝3敗と成績も見事だ。

 

10月28日の川崎市とどろきアリーナでの一戦では、中地区首位の川崎ブレイブサンダースと対戦。試合後に藤田HCは「正直、(ニック)ファジーカスに点を取られないように対策をしたつもりだったが、あれだけサイズがあって、リング周りのシュートが上手で、ペイント内に長くいられるとチームとしてもしんどかった」と振り返った。実際、ファジーカスには34得点14リバウンドの“ダブルダブル”を許したものの、“最後のNBL王者”川崎に87-81と勝利。開幕節から川崎に対し3連勝と同地区のライバルを圧倒している。

 

三遠が単に川崎と相性が良いと言うのではない。藤田HCは「どのチームと対戦しても自分たちのバスケットボールをすれば戦えるという手応えは感じている」と語る。一方で、若き指揮官の目には、ここ最近のチームが少し消極的に映っていたようだ。「開幕戦を見直して、アグレッシブさが全然違っていた。初心に返り、自分たちがアグレッシブに戦おうとした結果が、今日につながった」との言葉どおり、川崎戦では、ペイント内で強さを発揮していたロバート ドジャーをケガで欠きながらも、セカンドユニットを含めた総合力で、5選手が2ケタ得点を挙げるなど、チーム全体が積極的に仕掛けて難敵を退けた。小気味良い“アグレッシブバスケットボール”を展開する三遠と、チームを率いる若き指揮官から、ますます目が離せない。

 

文=村上成

モバイルバージョンを終了